【問題】
殺人・強盗・強姦・家宅侵入・拳銃所持などのあらゆる犯罪を合法化したら世の中はどうなる?
回答
いつ危害を加えられるか分からないので、他者の信頼を得ることが現在以上に重要な社会となる。
殺意を抱いた人間は殺人を実行する確率が高くなることが予想されるが、
仕返しに殺される可能性も高くなるので、ちょっとしたことで相手を殺してしまうような事態にはならないと予想できる。
殺人に限らずあらゆる悪行をしようものなら、たちどころに周囲の人から異様な警戒をされるであろう。
だから、ほぼ全ての人が表面上は好ましい身なりをし善人のようにふるまうようになる。
ところで、原始共産制社会においては現存するような形での法律は存在しなかったが、
共同体内にはオキテや暗黙のルールがあり、そのルールを守らないものは激しいバッシングを受けた。
このような形でルールが機能していたのは、共同体の成員にどうしが互いにルールを守り合うことで、
ジャングルの脅威や自然災害の猛威に立ち向かうことが出来たからである。
しかし、現在においては、それほど自然の脅威を乗り越える必要性は高くないので、
こうしたルールが原始社会と同じように機能する可能性は低いと考える。
しかし、相互にルールを守りあうことで、相互に利益を得ることが出来る(囚人のジレンマ)し、
また、法律のように罰則規定が明文化されていなくても、「いつ殺されるかもしれない」という事実があるので、
ルールを守ることに強い強制力が働くと考えられる。
ただし、ローカルなルールがたくさん乱立し、ルールの異なる共同体どうしの争いが発生することは予想される。
たくさんのルールが乱立しているので、ローカルルールを知らないがために周囲から異様な警戒をされるといったトラブルが多発する。
この事実がまた、所属する共同体を変更することのリスクを高め、より共同体を閉鎖的なものにするだろう。
しかし他方ではインターネットではオープンな繋がりが存在する。
例えば、リアルでは共同体Aにいる人が共同体Bにも所属することは共同体Aに対する偏見があるので非常にリスクが高いような場合にも
インターネットを使えば共同体Bに関する情報に容易にアクセス可能である。
そうした意味でのネットのオープンさは、当然匿名性を持った犯罪に利用されうる。
現実社会の犯罪はとても困難だが、ネット犯罪であればそんなにリスクが高くないような社会になるだろう。
だからネット犯罪が主要な犯罪形態になっていき、セキュリティの問題が深刻化していく。
そうすれば、ネットのオープンさに疑問が投げかけられるようになり、多様なアクセス制限の要求に耐えうるようなネットワーク技術が整備されていく
かもしれない。