2008-10-03

http://anond.hatelabo.jp/20081003120036

(つまり、自分が子供を作らなくても自分の遺伝子は後世に残せる)

…という話をいつだったか聞いたのだが、

ちょっとそれは聞きかじりすぎてダメだが、一応ソースはわかる。

生物学者のE.O.ウィルソン社会生物学という本の中で、「それに近いこと」(そのまんまじゃない)をいっている。

http://www.amazon.co.jp/dp/4783501122

これは蜂のような、自分が子孫をのこさない行動を取る個体のいる生き物がどうやって進化したのかを説明するもの。

いとこが8人いて彼らが子供を残すなら、君の生物学的特長はたいてい引き継がれるよ。という話ではあるのだけれど、このとき君がいとこの子育てに関与しない場合、いとこの子はほかの一族に比べて有利でも不利でもない。すごい厳しい環境で殺したり殺されたりが日常茶飯事だと、君の特徴は残らないかもしれない。そこで君が積極的にいとこの子育てに関与したとする。食事を持ってってやったり、子守をしたりね。そうすると、親だけが世話する他の種族に比べてちょっとだけ生き残るのに有利になる。結果として「いとこの世話を生理的に嫌がったりしない」という君の特徴はいとこの子等のうち誰かに引き継がれていき、積み重なると、子を生む親とその世話をする大勢の親族という生き物が出来上がる。

勘違いしないで欲しいのは、「どうしてそうなったか」を説明する話で「どうすりゃいいのか」を示す話ではないということ。

竹内久美子あたりが嬉々として混同した話を振りまいて、それがあっちこっちで断片化してトリビアみたいな形で残ってるけど信用したりしないで欲しい。

何に幸せを求めるかはほんとに人それぞれだけど、「生物学的にこうだから幸せなんだ」ってのは欺瞞だから。

君の生物学的特徴が残ること(≠君の子供が生まれること)と、君の人生とはあんまり関係がないとは思わないか?

自分の遺伝子が残ることに何か意味があるのだろうか?

この手の願望はいつも理解できなくて。

記事への反応 -
  • (つまり、自分が子供を作らなくても自分の遺伝子は後世に残せる) …という話をいつだったか聞いたのだが、一体どこで聞いたのか忘れてしまった。 ソース元を知っている人いない?

    • (つまり、自分が子供を作らなくても自分の遺伝子は後世に残せる) …という話をいつだったか聞いたのだが、 ちょっとそれは聞きかじりすぎてダメだが、一応ソースはわかる。 生...

      • ニヤニヤ 自分の遺伝子が残ることに何か意味があるのだろうか? この手の願望はいつも理解できなくて。 おいおい、そんな乗り物じゃ「とにかく俺の遺伝子を残したい」衝動を発現...

        • ニヤニヤ おいおい、そんな乗り物じゃ「とにかく俺の遺伝子を残したい」衝動を発現させる遺伝子に競争で負けるぞ、増田の遺伝子君 うーん。誰と何を争ってるんだかわかりません...

    • それは無いだろー 俺より明らかにお馬鹿さんな(俺自身も大したことないが、それでも)いとこ達が子供産んだとしても、 俺の遺伝子が残ったとは到底思えない。

    • 妙な話だな。 遺伝子を残すって事をどういう意味で使っているのかによる。単にお前の体内の遺伝子がこの世にまだ残るという意味で言うのなら、いとこでいる必要なんか無い。お前の...

      • 多分、血脈の下流になれば自分の遺伝子なのかいとこの遺伝子なのかの区別が付かないレベルでしか遺伝子が残らないから、子供を自分が作ろうがいとこが作ろうがそう変わんないという...

    • 進化学とか集団遺伝学では淘汰の単位は遺伝子と考えられてるので。 ある1つの遺伝子の視点からみると同じ遺伝子を持つ個体のどれかが子孫を残せば その遺伝子は集団の中で伝わってい...

    • 遺伝子ってのは複数のゲノムの集合体であるわけですよ。 自分の子だって2分の1しか伝わらない。 確率的にはきょうだいと同じですよ。 つまり、きょうだいが子を残すのと、自分の子が...

    • それはまあ、J.B.ホールデンが出したたとえ話だが。 進化の主体は何なのか、個体なのか、種なのか、いろいろ説はあったけど、説明がつかない事例があったのね。 例えば蜂のような社会...

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