誰でも音楽を聴いたりカラオケで歌ったりする時代なのに、結構根拠のない迷信が信じられていることにびっくりする。
クラシック好きのはずの猫猫先生がこんなことを書いててびっくりした。
戦争中から戦後にかけての日本を扱った映画やドラマやドキュメンタリーで、戦争が終るとバカの一つ覚えのように「リンゴの唄」が流れる。説明がつくと「明るい唄が人々を勇気づけ」と言うのだが、あの歌は短調だし別に明るくないだろう
この手の誤解は猫猫先生だけでなく結構はびこってるみたいなので、ネタにさせていただく。
短調の曲が暗いなんて、そんなことは嘘だ。たとえば「東京音頭」は最初から最後まで短調だが、あんな脳天気な歌も他にないだろう。一方で、"Yesterday" だとか「海ゆかば」は長調だが、これを明るい曲だという奴はどこにもいないだろう。
そもそも、長調が明るくて短調が暗いなんて、そんな紋切り型が通用するほど音楽が単純なものなわけないじゃないですか。モーツァルトの曲なんて長調が圧倒的に多いですが、モーツァルトは脳天気な作曲家ですか?猫猫先生。
ついでにもう一つ。俺は絶対音感を持っている。全盛期には基準音(チューニングの時に合わせる音)の違いが 1Hz 単位でわかったこともある。で、それをいうとやたらとうらやましがられる。特殊な才能の持ち主だと思われてるみたい。
実際は全然違うんだよなあ。俺は確かに子供の頃からピアノを習っていたが、正直なところ腕前はDQN音大生に毛の生えた程度(本職は音楽関係ではない)で、進んで人様にお聴かせできるレベルではない。だのに、そのことを説明しても「ご謙遜を」としか言ってもらえない。
違うんだっての。絶対音感なんてのは単に「音の高さを覚えている」というだけのことで、普段から楽器に触ってればたいていは嫌でも身に付くんだって。確かに、大音楽家でも絶対音感のない人もいるんだけど、逆に言えば、これは音楽性と絶対音感が関係がないことの証拠でもある。
それなのに、変な親たちは「情操教育」として「絶対音感」を身につけさせようとしてる。ほんとに意味がわからん。音当てクイズなんかに熟達したって、音楽に熟達できるわけじゃないのに。
統計的にはどうなの。長調短調と明るさの間に一切相関関係はなく5分5分なの?
んなもん統計取れるわけないでしょ。「明るい曲」と「暗い曲」って概念自体が曖昧なんだから。