2008-07-05

http://anond.hatelabo.jp/20080703185125

fellfieldさんは『ヤマダ電機id:asami81氏の違いを知りたい』とのことなので、

以下に、この市場経済という視点から説明してみようと思う。

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市場経済というのは、個々のプレイヤーが自分の利得を最大化するように

経済活動を行うことによって社会全体の最適化が為され、

最終的に全体の利得の和が最大化するという仕組みなわけです。

つまり、競争することによって、最後はだいたい皆がハッピーになるよねという仕組みで、

これが現代日本経済ルールです。一応、法律もそういう趣旨で作られています。

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asami81さんのやったことは、この市場経済という視点から言えば正当な経済活動。

このような商行為が無数に行われることによって、経済全体では最適化が進み、

長期的にみると多くの人がハッピーになるわけです。

もし、ヨドバシが送料を無料にすることで赤字になったりするなら、ヨドバシ

売らなければよかっただけの話。それが、正当な経済活動。

(でも売ったのだから利益はでたのだと思う。)

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これに対して、ヤマダ電機のやったメーカーや納入業者に手伝わせるというのは、

市場経済という視点から言えばグレーゾーン

というのは、大きな小売店しかそのようなメリットを受けることができない場合、

小さな小売店は不利な競争を挑まねばなり、最終的に大きな小売店による寡占市場に行き着く

可能性もあるから。これでは、大きな小売店だけがハッピーになってしまい、

だいたいの皆がハッピーになるという市場経済趣旨に反する。

グレーゾーンと書いたように、これは程度問題でもあるんだけど、今回のヤマダ電機の場合は、

その納入業者の商品以外についてまで陳列や接客まで強制していたというので、

これはさすがに優越的地位の乱用にあたって、独占禁止法趣旨に照らしても、

違法性があるだろうと判断されたわけなのです。

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つまり、asami81氏とヤマダ電機の違いは、市場経済ルールに沿っているか

(=長期的・最終的には多くの皆がハッピーになるような行為か否か)という点で違いがあるわけです。

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『一方、店は小さなところから潰れています。ブクマコメントの一部に「適正な小売店の数」なんて

表現がありましたが、冗談じゃないです。』と書かれていますが、ムダが多いところから

潰れて、適正な小売店の数に淘汰されていくのは市場経済の仕組みとして当然のことです。

とは言え、潰れてしまう個々のお店や、そこで働いている方々の気持ちはわかります。

また、小売店で働いているfellfieldさんが、値切る話に対して単純に腹が立つと

いうこともわかりますよ。

ただ、経済法律の話と、個人の主観的な話は切り分けたほうがいいと思います。

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