朝からニュースで「クレームがひどい、なんでこんなに自分勝手な人が増えたんでしょう」とか言っててむしょうに腹が立ったので書いておく。
マスゴミって煽って思考停止するようなださい態度は取りたくないので。
ググってみたがぱっと見えるところにクレームが増加したかどうかは統計がでていない。でていたとしたら教えてほしいしいし、そのクレーム増加が自分勝手な人が増えたといえる証拠にはならないだろう。
クレームが増加したと仮定しても、それがなぜ起こりうるかといわれれば、それは自分勝手さではなくシステムの問題と識字率の問題じゃないだろうかと考える。
クレームが起きたのは役所だったらしいので、役所、それから商品についてのクレームを想定して書いておく。
一つはシステム。ユーザビリティとかユーザインターフェイスの問題で、消費者や利用者が扱う部分を単純化するだけでクレームは非常に減るはず。役所であれば手続きの簡易化。企業であれば一概には言えないが、商品の単純化。携帯電話などは契約内容の単純化が考えられる。説明も簡易化。
それによってまた別の層のクレーマー(たとえば商品であれば物足りない技術者層)は増えるかもしれないが、クレームをなくすことは考えない。減らすことを考えるとしたらこれは有効じゃないかな。
もしそれでクレームが変わらないようであれば、それは商品とかシステム自体に問題があると考えていい。そこはつくった側が責任をコミットしてくれなければどうしようもない部分ではある。
二つ目は識字率。技術者層からクレームが来ると言ったが、クレームは意外と頭がいい人間が行うのではないかと思っている。仮説に仮説を重ねて申し訳ないが、個人では統計など取りようがない。
だが、識字率が上がることで、自分への処遇が適切なものかどうかは判断できるだろうし、識字率があがると無根拠なタブーを破るという統計もあるっぽいし。
今までは庶民はアホだからと言って対応していたお役所待遇が識字率が上がることで急に理解できることも考えられる。
だから、クレーマーの増加量と大学進学率を比べて見るのも面白いんじゃないかなと思った。
と言うかデータをくれ。
10:25 追記
テレビで言及していた記事は確かこれだったと思う
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080702-OYT1T00154.htm
ブコメに対して、企業一社一社の対クレーム処理の費用を調べてもいいが、それが「自分勝手によるクレーム」の量と一概に相関があるとは考えられない。対クレーム処理費用の推移なんかを見ても同じで、企業が大きくなれば活躍の場も増えるし顧客の絶対量も増える。クレーム量も当然増加するわけで、信頼性のあるデータとは言えない。
で、質についても言及していなかったが、昔からたちの悪いクレーマーは一定数いただろうに、報道の増加だけでクレーマーだモンスターペアレンツだと言って回る態度がそもそも気にくわない。そのうちアルファクレーマーなんてのができそうな勢いだ。
気にくわないが、それに対してロジカルに説明しないと誰も納得しない。だから書いた。
13:55 追記
個人的には「クレームの増加=自分勝手な人間が増えた」とモラルの問題にしてしまうマスコミの態度を批判したい。
むしろアフォーダンスの立場からはシステムの問題だよね、システムがいいというのであれば理解力の問題だよねと言ったつもり。
クレームがある/ないの二値の話ではなく、クレームとモラルの相関に対してほかにどのような影響を及ぼす変数があるかを考えたい。
アメリカや中国でクレームが増加しているというデータがあるならそれを示してくれればいいし、それを識字率と照らし合わせておまえの理論は違うんじゃねえの?と示してもらいたい。
そしたら安心して寝ることができる。
ちなみに技術によってクレームの質が変わったというのは考えるべき点かなと思う。
車の普及が10年前の状態だったら役所にむかついたから車でつっこもうなんて考えても実行しないだろうし。
あのお、増田さんが仰ってる「識字率」って、「人口に対する字が読める割合」のことですよねぇ。 アメリカから着た人が、「日本人はホームレスでも新聞が読めるのか!?」って驚い...
そもそもクレームを受け付ける人と、クレームの原因になった仕組みを作る人は、別々だからねぇ。 うちの会社でもサポート窓口の人はどういうクレームを受けたかみたいなレポートを...