内田樹教授の「誰か教えて」というエントリーについて。
http://blog.tatsuru.com/2008/04/03_1313.php
いくらなんでもこの論理展開はひどい。一読しただけで矛盾が見えるのはいくらなんでも稚拙すぎる。本当にこの人学者?
"その実話に基づいた映画が『ホテル・ルワンダ』である。私は別にこのような超人的な勇気をグランドプリンスホテル新高輪のマネージャーも持つべきだというような無法なことは申し上げない。"
と書いておいて、
"私が言いたいのは、SF的想定であるが、もしグランドプリンスホテル新高輪のマネージャーが内戦時代のルワンダでホテルのマネージャーをしていたら、彼はためらうことなくツチ族の顧客全員を政府軍に差し出しただろうということである。"
"だが、私の経験が教えるのは、平時に卑劣なふるまいができる人々は、軍国主義の時代や恐怖政治の時代にも同じ種類のふるまいを(もっと葛藤なしに)できるということである。"
これはないだろ。ちょっと分かりやすくするために書き直してみよう。
A. ルワンダのような極限状態で人助けをするには超人的な勇気が必要で、それを要求するのは無法。
B. プリンスホテルが当時のルワンダにあれば、躊躇いなく客を政府軍に引き渡した。
C. 平時に卑劣な人は極限状態でも卑劣。
以上から導かれる論理的帰結。Aから、客を助けないのは卑劣とはいえない(超人にしか出来ないから)。Bから、極限状態で客を軍に売り渡すプリンスホテルは卑劣とはいえない。Cの対偶を取ると”極限状態で卑劣でない人は平時でも卑劣ではない”。よって、プリンスホテルは平時において卑劣とはいえない。なんだ、彼はプリンスホテルの擁護をしてたのか。
無理やり彼の穴だらけの理屈を養護する方法を考えたんだが、以下の方法ならぎりぎりプリンスホテルは平時において卑劣であることを説明できる。Aの解釈を「客を助けないのは超人でないならしょうがないが、卑劣であることには変わりない」に変更する。そうすると「プリンスホテルは卑劣でありえる」という結論になるが、今度は「世の中超人的な勇気を持つ人以外は全員卑劣」なので、きわめて例外的な一部の人を除いてプリンスホテルを非難できなくなる。いや、してもいいけどさ、目くそ鼻くそを笑うを地でいってるだけになる。
もう一回書くけどさ、この人ほんとに学者?
他にも書きたいことはあるけど、別のエントリーに分けることにする。(内容関係ないし)
ルワンダのような極限状態で人助けをするには超人的な勇気が必要なので、そこまでは要求しない。 しかし、平時の日本においてさえ、プリンスホテルは躊躇いなく客を追い出した。 な...
http://anond.hatelabo.jp/20080404073011 の続きで、内田樹教授のプリンスホテル批判について。 http://blog.tatsuru.com/2008/04/03_1313.php プリンスホテルの例にしても、靖国の映画の件にしても、言論の...
声ばかり大きくておつむの小さい国粋主義者のせいで日本全体の言論の自由が脅かされているという問題をどう解決するか、だ。 国粋主義者をブロガーに置き換えていい時代だろう。 ...
言い分も多少わからなくないけど。 内田樹さんの文章に興味を惹かれたのは、ルワンダの支配人の行動の元となった考え方が身近な日本の問題と比較できるかもしれないという点だった...
「言論の自由メモ」 内田先生の論理がアレなのはいつものことなのでどうでもいい。 が、言論の自由を守らないと民主主義が崩壊するので死ぬ気で守りましょう。 街宣車が軍歌を鳴らし...
目に付いたんで書いておこう。 なお、初めに断っておくが、以下はプリンスホテルの対応の是非を述べたものではない。プリンスホテルの対応の是非において営利団体とか企業である事...
大きな財力や権力、発言力を持つ人物が、安易な発言や行動をとれば批判される。 ネット自警団というのがいましてね、随分暴れていたんですよ。責任責任とか追求追求とか説明説明...
A. ルワンダのような極限状態で人助けをするには超人的な勇気が必要で、それを要求するのは無法。 Aの解釈が変。「このような超人的な勇気を持つべきだとは言わない」ということは...
内田樹さんのプリンスホテルの議論だが、http://anond.hatelabo.jp/20080404073011さんの議論は、結論は正しいが過程が間違っていると思う。 http://anond.hatelabo.jp/20080404073011さんによる内田さんの議...
むしろ、ツチ族=受験生、政府軍=日教組と考えれば、プリンスはホテルマンとしての職務と全うしたと言えるだろう。