彼は職場の先輩。
とはいっても広い職場で部署がまったく違うから面識なかったんだけど、飲み会で知り合って、
それからは彼の誘いでふたりでランチしたり会社帰りに食事したりした。
彼も気を遣ってくれる人で、お酒やクラシックに詳しかったりして話も弾んで、髪とか服もきれいにまとめてて
素敵な人だなって思ったし、向こうも私の事を好いてくれてるみたいでいい雰囲気。
で、日曜日の初デート。水族館と食事っていう派手すぎず地味すぎずいかにもコース。
待ち合わせ場所には、トンデモ私服の彼が立ってた。
まず、まだまだ暑いのに真っ赤なタートルネック。
アウターはファーのついた真っ黒なロングトレンチ。
ジーンズはところどころがクラッシュしてて紐でレースアップが施されていて
あちこちから紐がぶら下がってるちょっと前のギャル服みたいなダメージジーンズ。
それから竹下通りで売ってるような厚底で(ソール高さ10cmくらい)夢の国のネズミみたいなおでこ靴。
カバンは、黒い革張りで赤いパイピングの施された、使いにくそうなトランク。
きょうび売れないビジュアル系バンドマンでもそんな格好はしないと突っ込みたくなるような私服だった。
普段は小物とかこだわってておしゃれな人だなあと思ってたんだけど
(今思えば少しそれっぽいセンスの小物もあったけど)
普段は基本スーツだから、気付かなかった。
一気に目が覚めた。
水族館行っても正直ならんで歩きたくなかった。
ディナーもせっかく素敵なところに連れて行ってもらったのに、早く帰りたくて別れたくて仕方がなかった。
(あきらかに店の雰囲気に合ってない。彼が)
私自身もおしゃれな方ですって胸張って言えるかというとそうでもないし、
男の人の服なんて不潔でなければいいやと思ってたから、
彼の姿にドン引きしたというよりは、彼の服装ひとつでここまで冷めきってしまった自分の狭量さに絶望した!
でも彼のあのセンスを受け入れられる自信は、ちょっとない。
それを改造していくのが楽しいのに
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