うだるような暑さを避け、涼しくなった夜に出かける。吹き抜ける夜風が気持ちいい。
臨時駐車場、交通規制、ガードマン。信号で止まると、近くの公園から声が聞こえる。何かのイベントだ。
世の中はそういう季節らしい。だから夜になっても車は多い。
ふとみると、前の車は二本出し。最近良く見かける。流行りだろうか。
V型でもなく、縦置きでもなく、タコ足でもなく、二本出し。
っていう私は直四二本出し。でも縦置きだよ。ペラシャが邪魔なのに。失礼失礼。
街の明かりがなくなり、暗い木々の中をすすむ。
まだ大きい蝉の声を聞きながら道を登り下り。
夜風が一段と涼しく感じる。
そうこうしながら再び市街地へ。蝉の音がやむ。と思ったら再び蝉の音が。
ふと、かのセリフが思い浮かぶ。
「人は土から離れて生きてはいけないのよ」
確かに今時流行らない。でかいので面積稼ぐより、小さいの二つの方が音も小さくて良いのだろう。
ふと、ある言葉が思い浮かぶ。
二本出し。それは一体何を意味するのか?
そんな下らない夏の夜は深けるのであった。
なんか、新しいジャンルの小説を読んだ気がする。 いつかは、こういう文を書きたいものだ。