「大切な話があるから合おう」と書いたら1週間ぶりに返信が来た。
人生初めてのデート、何度か手を繋いだ暖かさ、女の子とふたりで食べる食事。
せめて彼女の好きなガーネットの装飾品を送ってあげたかった。金がなかった。
彼女のことをもっと知りたかった。僕はインポだけどもっと話していたかった。
ハグしてみたかった。キスをしてみたかった。誕生日やクリスマスのプレゼントに悩んでみたかった。
無職。高卒。心身ともに不治の病。地元に友人ゼロ。オタク。理屈家。
夏から障害者年金をもらう。親が死んだら生活保護だろうか? 本が買えなくなるのは嫌だな。
「無かったことにしていいです」同じ言葉を返してあげよう。さようなら、君に幸あれ。
君は可愛いから、自分から会いたくなるような僕よりもっといい男に巡り合って幸せになれ。