「銀河鉄道の夜」には色々なバージョンがあるのだが、最後「銀河鉄道」の夢から覚めたジョバンニの手に、夢の中の列車の切符が残っているというバージョンがある。ファンタジーをファンタジーに終わらせず現実へとつなげていく……というパターンを創造したという意味では、日本の作品の中ではおさえておくべき原点の一つのような気がする。ちなみに、「夢かと思っていたら、その夢は実は現実と地続きだった」という、またの名を「終わらない悪夢」パターンの話は、たとえばメーテルリンクの「青い鳥」や、J・M・バリーの「ピーターパン」なんかも入るかも。ただしこれらの場合「アイテム」は必ずしも存在しない。