■私は笑わない子供だった
小学校に上がってから二十代前半まで、私の顔は北朝鮮の子供達みたいな顔だった。
めったに笑えない。笑うことはできても、どこかから借りてきたような笑いしかできない。
「自尊心」「プライド」という言葉の意味を、知識としては知っていても、本当に理解していたわけではなかった。
自分は無価値な人間だと思い込んでいた部分がどこかにあったし、たとえ明日死んでも全く悔いはないと思っていた。
実家を離れて暮らすようになり、仕事で良い評価を受けるようになってから、「自尊心」「プライド」という言葉の意味をやっと本当の意味で理解できるようになった。
ちょうどヘレン・ケラーが実際の水に触れた瞬間に、「水」という言葉の本当の意味をやっと理解できたのと同じように……
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