不死であるなら新しい命をはぐくむ必要なんてない。
人は死ぬからこそ新しい命をはぐくむのだと思う。
確かにそれは一種のエゴだ。
誰かを失うという恐怖はよくわかる。
でもそれは裏を返せば大切な誰かが存在しているということ。
新たな命をはぐくむことがなければ、その大切な誰かが存在することもない。
失うことを恐れて最初からそれを欲さないことで、
完全なる孤独に陥ることに果たして人は耐えられるだろうか。
たとえエゴで生まれた新たな命であっても、
その誰かが自分のことを「死んで欲しくない人」と思ってくれるようになれば、
それはその人がこの世界に価値を見出したということであり、
無意味なことではないと思うのだが。