2007-03-26

こんな感じ? >子供が作れるようになったら

欲しい本があったので久しぶりに街へ出た。半分は適正があると言ってもやはり街は苦手だ。生まれついての本能の部分が人工の森を忌避したがる。いや、母親は気にもせず暮らしているのだから、人間としての思考がもう半分についての知識で勝手に作った勘違いなのかもしれないが。

それに何より目立つのが苦手だ。街に出るとじろじろ見られたり、時には、あからさまに侮蔑の目で見られたりする。やはり、四つ足が街に、人間の森にいるのは目立つ。

2本足で歩くことができる、より人間に近い者は街で暮らす。人間の名残で人工の森が落ち着くというのもあるが、一般的に四つ足の者よりも人間に近いので高度が情報処理が行える彼らは、機能を重視・集約したこの人工の森で働き、そして棲む。

私も2本足で歩くこともできなくはないが、私の場合は骨の構造からして無理があるので1分と持たない。前足用の靴を履いてはいるが、4つ足という見た目からして目立つのは仕方がないのだろう。

本屋に着く。目的の本があるのは5階だが、階段で行く。4つ足がある程度いる街の場合はエレベーターボタンは鼻で押す。押す鼻がない場合は前足で押す。主に前足にも靴を履いてる場合が多いからだ。それよりも4つ足が多い、言い方は悪いがスラムのような街では、皆、前足で押す。靴など履いていないし、それに小さな汚れのことなんか気にしない者が多いからだ。そういった風に四つ足がいる街では、ある程度のしきたりのようなものがあるのだが、この街のように四つ足がほとんどいない街ではそれがトラブルの種となる。前足で押せば靴で押すなんてということになり、鼻で押せば鼻で押すなんてということになる。2つ足の者は手の指で押すからだ。いらぬトラブルは避けるに超したことがないので、階段を使う。四つ足なので2つ足と比べれば断然楽ではあるのだが。

5階につくと「よお、来たか。」と、薄い体毛に覆われた手を挙げられ、声をかけられる。古くからの知り合いで、今日私が欲しい本が入荷したと教えてくれたのも彼だ。彼は大型犬のクォータなので薄く白い体毛に覆われ、耳の位置も高いところにあり、鼻も少し大きいが、離れてみたら人間と変わらぬ程度の外見である。

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