侵略にきたものの、すっかり地球になじんでしまった宇宙人ケロロ小隊。居候になってしまった彼らと地球の少年・冬樹たちとの奇妙な友情が作品全体のポイントだが、そのエッセンスを全方位的に映画用としてパワーアップした大作だ。今回注目すべきは、太古からよみがえった最終兵器キルルがもたらす地球人への侵略手段。与えられたテレパシー能力の良さが実は侵略につながるという恐ろしさは、携帯やメールが普及しすぎた現在、けっこう意味深である。みどころは、劇場版ならではの濃密な映像クオリティ。特にイントロのパロディ連発は爆笑だ。クライマックスも超派手な巨大ケロロやミサイル戦で友情の歓びとともにおおいに盛り上がる!【アニメ評論家 氷川竜介】