2007-03-16

http://anond.hatelabo.jp/20070315220748

トントン、と窓が叩かれる音で目を覚ました。フロントガラスの向こうには夕焼け空。女子高生たちが三々五々、帰宅の途についている。お嬢さんを待つあいだに眠ってしまっていたらしい。急いで僕はウィンドウを下げる。

「すみません、どうにも眠たくって」

言い訳はいいから」

ぴしゃりとお嬢さんは言う。その彼女の背後には、僕の知らない女の子が二人、並んで立っていた。どちらもこの高校制服を着ている。お嬢さんは後ろの二人をちらりと窺い、それから「お友だちも乗せたいのだけど、いいかしら」と言った。それを悪いと言える権限を僕は持っていない。黙ってドアを開ける。

真っ先に入ってきた子は、ふわふわとしたショートヘアがよく似合う可愛い子だった。物珍しそうに車内を眺めまわしながらも、クッションの利いた座席に満足したらしく、ぴょんぴょんとお尻を跳ねさせている。

もう一人はやけに大人びた子で、バックミラーで様子を窺っている僕に気付くとにっこりと微笑を寄越してきた。僕は目を逸らしてしまう。苦手なタイプだ。

最後にお嬢さんが座ったのを確認してから、運転席からの操作で後部ドアを閉める。

お嬢さんの一言。

「出して」

やれやれ。溜息をひとつ、それから車を発進させた。

運転手として雇われてから二ヶ月。こんなシチュエーションはまったく初めてのことだった。というか、お嬢さまに友だちがいることを初めて知った。……ちゃんといるんじゃないか、友だち。昼間におばあさんと話したことを思い出しつつ、僕は彼女たちの会話に聞き耳を立てた。

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続きなんて思いつかねーよウワァァンヽ(`Д´)ノ

誰か考えてー。

記事への反応 -
  • 先日電車に乗ってたら、近くに座ってたおばあさんからいきなり、「あなた、自動車の免許持っていらっしゃる?」と聞かれ、 「へ? はあ、一応持ってますけど・・・」と返すと「あな...

    • 黒塗りのベンツに初心者マークが付いている様は滑稽に過ぎる、と僕は思う。それに。教習車はこんなに長くはなかった。 この車の所有者が電車の中で僕に声をかけてきたのは、二ヶ月...

      • 「ありがとう」といって後部座席から出て行った彼女の声は、いつもより少しだけ弾んでいた気がする。 始業時間に近いから、校門を通る生徒は途切れることがない。僕が高校生のとき...

        • トントン、と窓が叩かれる音で目を覚ました。フロントガラスの向こうには夕焼け空。女子高生たちが三々五々、帰宅の途についている。お嬢さんを待つあいだに眠ってしまっていたらし...

          • こちらのお話にも、ちょっと聞き耳を。 カランカラン♪

            • http://anond.hatelabo.jp/20070316125157 メズラシイーデスネ。 土曜日 ノ アバンティ ハ アシタ デスヨ。

          • 静かな車内なのに、会話の声は思ったより聞きづらかった。内緒話でもしているのか?気になってバックミラーから後部座席を覗こうとした。そのとき。 「……ブレーキ!」 お嬢さんが急...

            • http://anond.hatelabo.jp/20070316134620 http://anond.hatelabo.jp/20070316132834 ダブったな。 まぁでも結果は同じだからマージしちゃえばいいか。 -- 「え…、ここは…」 お嬢さんが止めてといった場所は...

              • 一時間ほど経っただろうか、やっと三人が戻ってきた。相変わらず楽しそうだ。笑顔のお嬢さんをみるのは初めてじゃないだろうか。 僕は外に出て後部座席のドアを開ける。途中から小...

                • 徐行速度で門を抜けると、屋敷の雰囲気が、どこかいつもと違うような気がした。 もうライトをつけないといけない時間になっていたからだろう、と僕は思った。こんな時間に運転する...

                  • 夕食のあと、すぐに自分の部屋に戻って、例の服を取り出した。僕は固まってしまった。袋から取り出したるはフリフリでフワフワのピンク色した素敵なドレス。お嬢さんは「それを身に...

                    • 随時載せたいと思います。 http://b.hatena.ne.jp/entry/2035547

                    • 僕がこのふりふりのドレスの着付けに悪戦苦闘していると(背中にファスナーがあるのは着ぐるみとドレスくらいのものだと思う)、お嬢さんの友達二人がやってきた。ちょっと待ってくだ...

                      • タキシードに蝶ネクタイ姿の女子高生が廊下をゆっくりと歩いていく。 純白のドレスに身を包んだおとこおんな、こと、僕がそれに続く。肩には稠密な細工のショールを羽織り、足元に...

                        • しかし、その歩みを立ち塞ぐ男が現れた。 堂々たる体躯に甲冑をまとい、背の丈の倍はあろうかと思われる十文字槍をりゅうりゅうとしごいている。 いかつい顔の半分は顎髭に覆われ、...

                          • 「はい、ありがとう」 お嬢さんがそういうと、男の眼から生気が消えた。 早く通って、と言われて、裾を踏んづけそうになりながらあわてて男の横を通り抜ける。 「いったいアレは…...

                            • 先ほどの部屋もそう明るくはなかったが、こちらの部屋も薄暗いなあ。あれはランプだろうか。それにしてもこの床は絨毯なのかなんなのか、ものすごくふわふわする。羽毛布団でも敷物...

                      •  匿名チャットです。ここでは何を発言しても許されます。のんびりまったりするもよし、真剣に議論するもよし、気にくわなかったら荒らしたっていいんです。 http://anond.hatelabo.jp/?page=...

                  • 古い閂を外し窓を開ける。木々の擦れ合う音と北側の森から吹き下ろす少し冷えた風に包まれ、蒸れた空気に汗ばんだ肌を冷ます。 いや、この汗は屋根裏の暑さだけではないだろう。 ...

          • 「できればあの子と仲良くしてください」 とおばあさんは言っていた。もちろんです。と僕は答えたけれど、あまり自信はない。バックミラーに映る彼女たちはずいぶんと盛り上がって...

          • そこはいわゆるブティックと呼ばれるようなお店だった。 ファッションに興味がない僕にとっては縁のないような場所だ。 お金持ちはやっぱ違うなどと考えていると「あなたも降りるの...

          • もっと良く考えればわかる事なのに、なんでそうなるかな。順を追って説明するから、以下の文章をよく読んで考えて欲しい。ちょっと長いから時間のあるときに読んでね。僕は日本人じ...

          • みんな忘れてるみたいなので晒してみる。 続きがきになるんだよぉータイトル考えてみたからさー http://anond.hatelabo.jp/20070315145617 http://anond.hatelabo.jp/20070315220748 http://anond.hatelabo.jp/200703161...

      • 向かいに座っていたのは、おばあさんだった。 「あなた、自動車の免許持っていらっしゃる?」 そう上品そうな言い方でおばあさんが声をかけてきた。いきなり何を言い出すのだろうと...

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