2020-07-05

路地に咲く月見草が口だけで笑ってる。私はずっと聞こえないふりをしながらポケットの中で必死に十字を切っていた。太陽だんだん大きくなって空を覆い尽くしつつあったのだが、同時に「これは長く続かないな」とも思った。足下から歯車悲鳴を上げる音が聞こえる。隙あらば体のありとあらゆる穴から侵入しようとする守護天使気合で全部握り潰す。この調子だと半日持たない。

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