この土砂降りの雨の中、アオドウガネがベランダに止まっていた。
雨を避けるためなのだろうか。近くには止まり木があるが、寄り付かない樹木なのかもしれない。
手にとって、指に乗せてみる。
数歩動く後、私の指にキスをするように何度か口を押し当てた。
腹を空かせているようだ。樹液を欲しがっているのだろう。
そこで私は、それをこの闇の寒空へ放り投げた。
あれは死ぬ。おそらく、明日にも死ぬ。
私がそれを救う義理はない。
自分が一番。
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