2010-03-04

おじさん、ごめんね

小さい頃は近所の駄目人間おじさんをバカにしてたっけ・・・。

よれよれの紺のビニールジャンパー、べた付いてそのままよりも少なく

見える髪の毛。猫背。生気のない瞳。ただその存在そのものを見下してたね。


将来自分は絶対に出世するんだって何の根拠もなく思ってたね。

小さい頃からの日々の積み重ねが大人になるまで続いてくなんて夢に

も思わなかったよ。中学生の頃通っていた塾の先生が言ってたな。


「俺はあんまり頭良くないから法政にしか行けなかったんだ、ははは。」

クラスのみんなで大笑いしてたっけ。あの内何人が法政以上の大学

行けたというのだろうね。毎日会社に通って夜遅くまで働いてるお父

さんがいかに大変で偉大かって、やっと分かりました。



転職を繰り返して人に馬鹿にされて初めて分かりました。生きるって

本当に大変。何をやっても後悔が待ってるもんね。特別じゃない。

自分は特別な人間でも何でもないんだって、20代後半になってやっと

分かりました。あの頃、白い眼で見てしまったおじさん、ごめんね。

あなたのぶんまで生きようと思います。

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