2010-01-14

夫の亡くなった友人の話

以前夫から、高校時代の親友に、婚約者との結婚を目前にして突如別の女性に心変わりし、

一方的に婚約を破棄した男性がいると聞いた。

詳しい話は聞いてないけれど、私の感想としては「酷い男もいたもんだ」程度のものだった。

それからしばらく経って、その夫の親友事故で亡くなったと聞いた。

その一報を聞いた夫は号泣していたけれど、

号泣している夫に寄り添いながら私の脳裏に浮かんだのは、因果応報の4文字だった。

それから何年も経つが、その親友の親御さんとも付き合いのあった夫は、

毎年命日には仏壇の前に手を合わせに行く。

そんな夫の背中を、私は「婚約者を裏切った男の仏前に手を合わせに行くんだ」と思いつつ見送る。


もし私が夫の立場だったら、やはり同じように親友の死を悲しみ、お参りに行くと思う。

それは分かっているのに、夫と私での同一人物の死に対する温度差を感じ、

私がどうしようもなく冷たい人間なんじゃないかと、軽い自己嫌悪を覚えてしまう。

毎年命日が近づくと、その温度差になんともいえない気持ちにさせられる。

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