2008-10-14

冨樫 義博 ショートショート

私はお義母を許しません。

お義母さんは私を産んでくれました。

でも私のことを少しも分かってないので本当の母親ではありません。

お義母さんはよく私のことをけなします。

「もっと勉強しなさい。あんたは人の倍やってようやく人並みの成績なんだから」

お父さんからあなたの高校時代の成績を聞きました。

私は自分に出来ないことを他人に強いる人間は大嫌いです。

「どうして嘘つくの!?本当にろくでも子ね!」

本当のことを言いたくないだけ。言ってもわからないから。

「産むんじゃなかった。あんたなんか。」

あなたから生まれたわりには上出来だと思うけど。

でもそのことで私は別に怒ってない。自分がけなされるのはなれてるから。

学校に行けばもっとひどいことを平気で言う人がいくらでもいるし。

私が許せない理由は他にある。

あなたが日常なにげなくあの一言

どんなに私の心を乱しているかわかりますか。

何もかも忘れて1つのものに夢中なったことなんてあなたはないんでしょうね。

今日私は自分におまじないをかけました

もう一度お義母さんがあの言葉を口にしたら私はあなたを殺します。

おまじないって不思議ですね。今はとても気持ちが楽です。

あんなに聞きたくなかったあの言葉

あなたが口にするたびに怒りと悲しみで全身がバラバラになりそうほどのあの言葉

それが今ではいつあなたが言ってくれるだろうとワクワクしながら待ってます。

新しいナイフを買いました。なるべく苦しまないように殺しますね。

 

明日は新刊の発売日です。

だから明日はきっと言ってくれるでしょう。

「そんなくだらないもの読むのはやめなさい。」って。

ps今日ミザリーという映画を観ましたがどこがこわいのか私にはわかりませんでした。

  できの悪い娘より   最低の母親へ       

                          

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