2008-09-18

何もかも知っているかのように言えるのは、

彼女の手記を見せてもらえる機会があったからだ。

それが本心だったのかどうかはわからない。

今となってはもう、後戻りできない。

いや、しない。

彼女は苦しんでいるように見えた。

僕と一緒にいても、常に満たされない何かと戦っているように見えた。

彼女セリフはどこか白々しかった。

でも、必死さだけは伝わってきた。

彼女なりのアプローチだったのだろう。

でも、僕にはそれが彼女の愛だとは信じられなかった。

彼女はいつも僕の邪魔をするタイミング

自分を天秤にかけていた。

僕の気持ちは何も伝わらなかった。

でも、今思えばそれも当然だったろうと思う。

正直、僕は彼女との接し方に戸惑っていた。

手をつないでも、夕食を共にしても、唇を重ねても、

心だけはいつも重ねることができなかった。

僕には彼女幸せにする自信も勇気もなかった。

ちっぽけなプライドが、彼女から与えられる愛に溺れることを許さなかった。

僕は君の前から姿を消した。

僕はもう、ここには居られなかった。

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