何もかも知っているかのように言えるのは、
彼女の手記を見せてもらえる機会があったからだ。
それが本心だったのかどうかはわからない。
今となってはもう、後戻りできない。
いや、しない。
彼女は苦しんでいるように見えた。
僕と一緒にいても、常に満たされない何かと戦っているように見えた。
でも、必死さだけは伝わってきた。
でも、僕にはそれが彼女の愛だとは信じられなかった。
自分を天秤にかけていた。
僕の気持ちは何も伝わらなかった。
でも、今思えばそれも当然だったろうと思う。
正直、僕は彼女との接し方に戸惑っていた。
手をつないでも、夕食を共にしても、唇を重ねても、
心だけはいつも重ねることができなかった。
ちっぽけなプライドが、彼女から与えられる愛に溺れることを許さなかった。
僕は君の前から姿を消した。
僕はもう、ここには居られなかった。
文章から無意識のかっこつけと安易なセンチメンタリズムを取り除いてみよう。だいぶよくなるぞ!