2008-05-23

知的障がい者未来

私には、そろそろ10年になる付き合いの友人がいる。彼は非常に変わった男だった。出会ったのは中学時代だが、いじめられていた訳でも不良グループに属していた訳でもないのに、たまにしか学校に来なかった。なんだか学校がめんどくさかったらしい。そのサボリ癖は高校に行っても直らなかったようだった。高校は違う高校だったのでよく知らないが、彼と同じ高校のほかの友人を通して聞いた話によると、ボーダーの男と呼ばれていたらしい。彼より出席日数が少なく成績が悪かったものは例外なく留年したそうだ。

そんな彼は男だてらに介護系の短大に進み、ストレート卒業。その後就職した老人介護施設を一日で辞め、しばらくフリーターをした後、今度は知的障がい者の入居型養護施設に勤めることになった。

仕事の様子を訊ねると実に軽い様子で、腕かまれて歯形が残っただのこの間は入居者がウンコ体に塗りたくって大変だっただのという返事が返ってくる。

だから思わず訊いてしまった。なんでそんなところに勤めているのか?と。後から思うと、ずいぶん失礼なことを訊いたと思う。

けれども彼は私の無礼を意に介した様子もなく、こう答えてきた。

「確かに短大でやったのは介護勉強だったから、違うところに来ちゃったなぁと思う。でも、なんか夢というか未来があるんだよね。老人は老いて死ぬだけだけど、知的障がい者は今まで出来なかったことが出来るようになって行ったりする。そこがなんかやりがいかなって」

私はその話を聞いて、ふーん、そうなんだ、とだけ答えたように思う。何を言ったのか、覚えていない。

そして今も、彼の答えに返す言葉が見つからない。

  • 自分の居場所を見つけたボーターは普通の人よりよく働くよ。

    • ボーターって、ボーダーのこと? だとすると奴は全然ボーダーではないよ。いつも人のことを心配してよく気をまわしてくれる、本当にいい奴。ボーダーみたいに死ぬ死ぬ詐欺とかで人...

    • えーと、文脈から考えるに元増田の「ボーダーの男」って表現は「境界性人格障害」ではなく 「進級に出席日数が足りるか足りないかの瀬戸際にいる」くらいの意味だと思うんだけど。

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