お風呂屋という言葉を初めて知った。僕は風俗のことはほとんど知らなかった。
2回目の出張では、MPには入らず、かつて紹介された店の隣の古式按摩に入った。
マッサー が上手な子だった。スペシャルしたのは、三回くらい通ってからだった。
言葉の通じない2時間は長い。その子が持っていた清水ソムチャイの「大人のイラスト会話集」で、持て余す時間を楽しんだ。日本人の客がおいて帰ったのだろう。こんな風に心地よくタ イ語の学習ができるのも語学学校では体験できない楽しい時間だ。
帰国間際には、恋しいようなことをいうようになり、帰国して数回S MSをしたが、それで終わってしまった。本当にあっけない疑似恋愛ですらなかった。
数ヶ月後、出張に再び来タ イした旨を連絡すると、彼女は自分の部屋に招きいれてくれた。週末のデートが待ち遠しくなった。映画や買い物すべて楽しかった。帰国後もS MSのやり取りがつづき、夏休みにふたりで近郊の島に遊びに行った。
仮に結婚するとして日本で生活できるだろうか、などとざくっと調べたりした。
盛り上がっていたようだけど、彼女はどこか遠くをみていたような気がした。