■しあわせな恋がしたいけどしたくない

学生時代、さほど好きでもない人Ａとつきあっていた。

私も相手を好きなんだけど、相手が私を好きな量のほうがつねに上回っていた。

なんとなく、人前で手をつないだり、カップル扱いされるのが嫌だった。

自分の時間も大事だし、毎日は会いたくないよ、と言ったら、男泣きされた。

ニートのくせに俺たち結婚前提と思ってた、とか言うのがしんどくて別れた。

社会人になって、ものすごく好きな人Ｂができた。

今度は逆。私が相手を好きな量が、相手が私を好きな量を、いつも上回ってる。

はっきりと、人前で手をつないだり、カップル扱いされるのを嫌がられた。

淡白な私でも週１回は会いたいな、と思うが、相手は月１回でも平気そう。

喧嘩をしてはヨリが戻り、ずるずる続くも同棲みたいな話は出ないまま、×年。

どうせ浮気してんだろ、と私も数ヶ月単位でよその男に気持ちが向いたり。

それで時々相手の母親（仲いい）に孫の顔が見たいとか言われて気まずくなったり。

「しあわせな恋」というフレーズで思い浮かぶのは、

Ａと台所で一緒にふざけ合いながら夕ごはん作って食べたりしていた頃のこと。

「たいせつな恋」というフレーズで思い浮かぶのは、

Ｂと掴み合いの喧嘩をして外へ飛び出した後でむくれた顔ですごすご戻る時のこと。

何これ？！何なのこれ？！それとこれとが同じじゃないって？！

私はしあわせはたいせつじゃないのか。大切なのに。思い浮かべるたびにやるせない。

顔の好みとかセックスの相性とかは、どっちもどっち。ＤＶも両方なし。

Ｂといて嫌なことがあると、しょっちゅうＡのことを思い出すけど、

もし街中で大人になったＡとばったり再会しても、私はＡの下へは行かないだろう。

Permalink | 記事への反応(4) | 03:47

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