能動的で活発でクリエイティブな人生にずっと憧れてきたが、どうやら自分はそういうタイプじゃないらしい。普通な、誰にでもできるような身の丈に合った仕事をして、身の丈に合った生活を送る。それが自分に一番合った平安な人生なんだと思う。
だけれども、世の中はそうでもない。意欲旺盛、なんて語句は、まるで必須条件のように求人広告に踊っている。大学では、自分たちには明るい未来しか無いし、それ以外見たくはない!というような人達がわんさかしている。それだけならまだいい。恋すら、未来に対して意欲旺盛な人から上がって行く。いや、それはそうだろうとは思うけどさ。だって、意欲旺盛な人の方が将来性とか話題性とかいろいろいいもんね。第一、そういう人の方が恋人にして楽しいだろう。それはいいんだけど、意欲旺盛ってのはもうこれ生きて行く上での必須条件なのだろうか?別に勉強だって仕事だって手を抜くわけじゃないさ、真面目にやるさ。ただ、意欲旺盛ではないだけだ。夢がないって?夢は平和で平穏な日々を淡々と生きることだよ。それのどこがいけないんだろうか?
自分なんか昭和に生きかったと思う。特に創造的なわけでもない仕事をこつこつとこなし、4畳半1間でも寄り添い合って暮らしていける伴侶がいて、貧しくも豊かな、淡々としていても味わい深い人生を送りたかった。
なんか、世の中全体が覚せい剤でも打ったようにハイに見えて、とてもじゃないが居場所が無い気がして仕方ない。
「夢がない」と言って去って行った昔の彼女が、意欲旺盛でやたらハイで、そして超優秀な男と婚約したという話を聞いて、意欲旺盛じゃない自分はもうなんていうか恋人が欲しいと思う資格もないのかと感じられて、どうにもこうにも泣けてきた。
いや、単なる自己中な感傷だとわかってはいるんだけれども、どうしようもなく悲しくなってきた。
自分なんか昭和に生きかったと思う。特に創造的なわけでもない仕事をこつこつとこなし、4畳半1間でも寄り添い合って暮らしていける伴侶がいて、貧しくも豊かな、淡々としていて...
四畳半一間に二人で暮らすのは想像以上に辛いことだよ。