はてなキーワード: 政府発行紙幣とは
もともと通貨発行権は王の大権だったわけだが、中央銀行が通貨を管理するというシステムが作られる前は国王が恣意的な改鋳などを頻繁に行うことが多く、経済が混乱する事が多かった。
日銀をはじめとした中央銀行は、時の政府が国庫を潤す為に通貨を乱発していたことを反省して、通貨を安定させる為に政府とは独立した機関として作られたわけ。
つまり、政府発行紙幣というのはいわば前時代の遺物みたいなもので、もちろんきちんと管理した形で発行すれば問題は無い(ハズ)なのだが、国際金融の発達した現代においてどのような形で影響が現れるか分からないということがある。
一般には分かりやすく「ハイパーインフレを招く」などとおどろおどろしく言われるんだが、ハイパーインフレとは、戦争で社会インフラや工場設備が破壊され農地が荒れ果てて収穫が望めないような時、つまり生産物の供給が絶望的に不足した場合に発生する。
今の日本は逆に生産能力は余りまくっているのに需要が足りない(正確には需要はあるんだけど消費に意欲的な層、若者や子育て世代に金が無い)という状態なので、値下げをしないと物が売れないという状態、つまりデフレが恒常化しているわけ。
デフレになると物の価値は下がり通貨の価値は上がるから、物を買わずに金を持っていればいるほど得をすることになり、一層通貨が動かなくなる。これがデフレスパイラルということ。
現状でハイパーインフレを心配するというのは羹に懲りて膾を吹いているようにしか思えないんだが。