あと言葉の生まれも違うし。「家事手伝い」はガチで使われてた昔に生まれたけど、「自宅警備員」なんて最近ネタ的に作られた言葉じゃん。前提・背景が違いすぎるから、比べてもあんまり意味ないと思う。
その生まれの違いが面白いと思うのです。
「家事手伝い」は主に女性を指す言葉なのだけど、それはなぜかと言うと、そういう立場の人に女性の方が圧倒的に多かったから。そういう立場ってのはつまり学生の期間を終えても定職に就かず親と一緒に暮らすっていう立場ね。それが女性には許容されていたし、望んでいる女性もいたのだろうと思う。
それが今では大学生は誰も彼も就職活動して、正社員にならないとダメッ! みたいな雰囲気になってるし、それに伴って「家事手伝い」という言葉に恥ずかしいという意識がついてくるようになったのではなかろうか。
で、就職氷河期とかで定職についてない若者が増えて、それをひっくるめて呼びたいという必要に合わせて行政的に使われるのがニートという言葉。もちろんニートって自称するのは恥ずかしいから、婉曲的に表現することが出来ないだろうかと考えた時に、女性に対しては伝統的に使われてきた「家事手伝い」という言葉があって、「ニートじゃなくて家事手伝いっ!」って言うことが出来るわけです、女性は。
ところが男性にはそれが無い。 "学生の期間を終えても定職に就かず親と一緒に暮らすっていう立場の男性" はニートと呼ばれるしかないわけですよ。そこへ登場した「自宅警備員」。事ここに至ってようやく男性は女性と同じ権利を持ちえたわけです。けれど哀しいかな「自宅警備員」には登場からネタとしての意味合いが大きい。「家事手伝い」はまだ少しは通用するのに。
ここら辺がなんかオモシロ哀しいなあ、と思うのです。
今思ったけど、自営業かなんかだったら「家業手伝い」で通用するわけだ。この「家事」「家業」の違いらへんとかもなんかモニョモニョ……