2021-04-20

好きな人告白できなかった俺の女々しい恋を笑ってくれ

俺が高校生だった頃の話。

当時高校二年生だった俺は、高校から始めた吹奏楽部(コンクール等には出場せずに、演奏会だけをするような部だった)で、受験のことなど頭にも入れずに練習三昧な日々を送っていた。そもそも俺が部活にはいった理由が、同部活ですでに卒業してしまった憧れの男子先輩のようになりたいという理由だったために、特に女子に対しては話しかけられないと話さない男子としての地位を確立していて、同じ楽器担当の男子としか友好的な関係を築いていなかった。端的に言えば勝手に女子を怖がっていた。

そんな俺にも自分から明るく話しかけてくれる女子がいた。学校の成績も上位でコミュニケーション能力が高い彼女は、反応がよくない俺にも積極的に話しかける子だった。ちなみに皆に対してもそうだった。

最初は「何を考えて俺に話しかけているのか」と疑問に思いながら素っ気なく反応していたのだが、日を重ねるにつれて、なにも考えずにただ話しかけたいから話しかけているだけなのだと気付いた。そして俺も自ら彼女に話しかけるようになるまでになり、いつの日か好きなのだとふと思った。

そこからが早かった。

友達に協力してもらい、映画に誘うことに成功した。(他の男友達を含めた合計三名で、ではあるが)緊張するけど楽しいな、私服はじめてみたけど似合ってるな、なんて思いながら映画を見て、スターバックスに入ってお茶している時だった。ふと大学の話になった。

「私医療関係の大学行くんだ」

その台詞を聞いて、凄いと思う反面、俺は彼女と大学で当たり前に離れることにやっと気付いたのだった。

大学によっては浪人も覚悟しなければいけない道なので成績が良い彼女でも猛勉強が必要になる。高校二年、既に受験の準備を始めている者もいる。付き合うとか考えるだけ、彼女の邪魔になるのだと俺は思った。

それから俺は好意を抱きながら、彼女にそれをアピールすることはしなかった。告白くらいならすれば良かったのに、それすらしなかった。俺は馬鹿だった。ひたすら大学受かるといいなと、受かったらすごく嬉しいなと、とにかく成功を願った。

俺は成績は普通の方なので、結構な苦労もして大学受験を終えた。後に彼女も合格したと本人から直接聞き、涙が出そうなほど喜んだ。もちろん彼女にはその様子は見せなかったけれど。

自分が邪魔だとか考えて、告白もせず、ずっと好きなままなにもしなかったという馬鹿で女々しい俺の恋話だが、どうぞ笑ってくれ。

長文失礼した。

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