2021-01-10

経験で自社開発をやってる会社に入った自分の話

「未経験で自社開発やってる会社に行きたい」という方に伝えていること。 というnote記事がはてブに上がっていて、まさに自分やんと思ったので自分語りしてみる。

結論を先に書くと「起業初期の会社だったらワンチャンあるよ!」である。

ただ入ったのが2012年とかで、その頃はスタートアップバブルだったからたまたま運が良かった可能性はある。

まあ書いてみよう。


元々はIT・情報系の専門学校出身。C言語とJavaは習った。ポインタはよく分からなかった。

趣味でHTML, CSSでホームページは作ってたけど、Webプログラミングは全然分からない。当時はまだPerl全盛の時代だったけど一切書けなかった。KENT WEBから掲示板のCGIをダウロードしてきて設置することが精一杯。


卒業後、新卒でSIerに入った。メインの仕事はエクセル, パワポ。あとはときどきパッケージソフトの設定値を変更。ソースコードは一切書いていなかった。2年半くらい働いた。


そんな中、当時シェアハウスに住んでいたんだけど、同居人が「起業するんだけどジョインしない?」と聞いてきたので「するするー!」と軽いノリで社員第一号プログラマーとして入社した。(社長は「SIerで働いてるからプログラミングできるっしょ」的なノリだった)

とはいえ最初は売上も全然無いので業務委託という形で開始。

銀行融資と売上目処が経ってきてから月給18万円・ボーナスなしで正社員になった。その後月給20万円まで上がった(ボーナスはない)。

会社的にはイベント会社なのだが、当時CGMが流行っていたので、俺たちもユーザー投稿型サイトを作ろうという話になった。

とはいえどう作ればいいか全然分からなかったのだが、本屋に立ち読みにいったら「よくわかるPHPの教科書」という本にログイン機能と投稿機能の作り方が載っていた。しかも表紙もかわいいし、中身もカラーで見やすい。

「これでいけるんちゃう。」と思い買って、それで最初のサイトを作成した。

作ってる途中で「Webフレームワーク」なるものがあることを知ったけど、「フレームワークは甘え。スクラッチ開発こそ至高。」とか言ってしばらく生PHPでがんばってた。

あと同じように当時CSSフレームワークでTwittet Bootstrapが流行り始めてたんだけど「フレームワークは甘(ry」とか言って生css書いてた。(ユーザーからデザインは割といいと褒められてた。)

しかし、だんだん生のPHPだとツラくなってきた。

PHPを使ってたのでCakePHPかSymfonyにしようかと思ったけど(Laravelは一応存在したらしいけど当時はまだ全然話題になってなかった)、はてブを見てると当時Ruby on Railsの話題が上がってることが多かったので、思い切ってRailsに移行を決意。

本屋に立ち読みにいき、パッと見で読みやすそうという理由で「基礎Ruby on Rails」を購入した。

当時Railsの本なら「RailsによるアジャイルWebアプリケーション開発」が定番だよって感じだったけど見た目が難しそうだったので断念。あとRailsチュートリアルもしんどそうだったのでやらなかった。

最初はRails全然分からずだったのだが、サイトをRailsに移植(というかほぼ作り直し)した頃には「Webフレームワーク最高!」になってた。

あと一緒にTwitter Bootstrapも使い始めたんだけど、レスポンシブ対応が簡単にできてこちらも最高だった。

その後、会社のイベントがmixi, Facebook, Twitterで告知、Googleフォームで申し込みだったのを、イベントシステムに内製化した。

それまでイベント参加費は当日支払いもしくは銀行振込だったんだけど、クレジットカード決済やコンビニ支払いにも対応しようということで決済サービスも導入した。

当時はStripeやPay.jpのようなモダンな決済サービスがなく、レガシーな感じの決済サービスしかなくて、APIを叩くとXMLが返ってきてなかなかツラミだった。

裏側の管理画面も作成して、最初は参加者管理からはじまって、リマインドメール送信機能、リピーター管理、イベント企画の進捗管理機能、イベント告知ページのA/Bテスト機能などなどいろいろ作った。

そういえばインフラのことを書いてなかった。最初はさくらVPSを使ってた。攻撃されて一回さくら側にVPSを止められてしんどかった思い出。iptablesの設定よくわからんと思いながらがんばった。

その後、社長が起業系のイベントに出たらAWSのクーポンをもらってきたのでAWSに移行。EC2のセキュリティグループは神だと思った。

それまでRailsプロジェクトのpublicディレクトリ配下にアップロード画像が入ってたのをS3に移したんだけど表示しなくなってトラブった思い出。

あと、最初の頃は内部SEO対策をがんばったりしてたんだけど、圧倒的に露出が足りなかったので、一時期プログラミングよりFacebook広告の運用を結構がんばってた。

WebマーケティングはferretのWebマーケティング資料にめちゃめちゃお世話になった。イベント企画のメンバーと社内勉強会してキーワード選定したりして、実際に検索順位が上がって流入が増えてとかで楽しかった。

コーポレートサイトも作成した。お金がないからさくらのレンタルサーバースタンダードプランを使ってた。PHPは使えるけど、基本的にはHTMLをアップする由緒正しきレンタルサーバー。FileZilla使ってFTPでアップロードしてた。

コンテンツの内容はベイジの社長ブログをめっちゃ参考にさせてもらってた。

その後、社長の方で直接求人情報を載せたい・頻繁に編集したいということでさくらのレンタルサーバーにCakePHPを入れて求人募集機能を作った。(当時はもうWantedlyもあって割と話題だったんだけどWantedlyに払うほどのお金がなかったんじゃ。)

あと全然プログラミング関係ないんだけど、イベントのチラシ作ったり、パンフレット作ったり、名刺作ったりデザインまわりもなんでかやってた。自分は小中学校の図工・美術の成績も散々だったし、正直「ノンデザイナーズ・デザインブック」に書いてあること以上は何もやってなかったんだけど、割と社内のデザインまわりの仕事してた。

G Suiteの管理とかプリンタとか無線LANの管理とか、いわゆる情シス的な仕事もやってた。あとシュレッダー詰まったとか、掃除機動かなくなったとかも対応してた。

あとごくまれにだけどイベントのスタッフもやってた。イベント前日の金曜夜になって急遽スタッフに欠員が出て土日のイベントスタッフに代打で出たり、軽トラをレンタカーして物品運搬したりしてた。


そんなこんなで7年くらい働いてたんだけど、1年ほど前に方向性の違いで転職。

いまの会社はそこそこ人数がいる自社開発の会社。Rails書けるしAWSの運用経験もあるということでバックエンドエンジニアで入ったんだけど、ずっと1人プログラマーだったのでコードレビューどころかGitHubをろくに使ったことがない、Dockerも触ったこともない、CircleCIは何者だ状態。フロントエンドエンジニアやアプリエンジニアと一緒に仕事したことがないからAPI作るときの考慮ポイントが全然分からない、そもそもオレオレでやってたからルーティングの切り方がひどいなどなど、だいぶへっぽこな感じだったけど、まあなんとかやってる。給料は2.5倍くらいになった。

給料のことを書いたけど、前職は会社のキャッシュフローが割とダイレクトに分かる感じだったので人件費ヤバい、銀行振込でイベント申し込んでくれるお客様最高(クレジットカード・コンビニ支払いだと入金までに1,2ヶ月ラグがある)的な感じだったので、前職の給料にはそんなに不満はなかった。

このあたりの会社の金銭感覚を経験できたのはいい経験だった気がする。

あといまの会社は若干セクショナリズムがあるんだけど、そのあたりをフロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの間に入ったり、あと営業や企画の意見の汲み取りをしつつエンジニアのタスク事情を伝えるなどできてるのは前職でいろいろやってた経験が生きてるんじゃないかと思う。

といいつつ、フロントエンドエンジニアの間に入るにも最近のフロントエンド技術に全然追いつけてないということで、今日Next.jsのチュートリアルをやってたんだけど、途中で休憩と思ってはてブを開いたら「未経験で自社開発やってる会社に行きたい」という方に伝えていること。 が上がってたので、思わずこの記事を書いてしまった。


10年近く前のN=1の話だし、単なるおっさんの昔話になった感はあるけど、もし「未経験で自社開発やってる会社に行きたい」と思ってるなら、起業初期の会社だったらワンチャンあるかもしれないし、入ってもその後なんとかなってるよという話でした。

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