夫れ言は吹には非ざるなり。言う者には言あり。其の言う所の者、独り未だ定まらざれば、果たして言ありや、其れ未だ嘗て言あらざるか。其れ以てコウの音に異なれりと為すも、亦弁ありや、其れ弁無きや。
道は悪に隠りて真偽あるか、言は悪に隠りて是非有るか。道は悪くにか往きて存せざる、言は悪くにか存して不可なる。道は小成に隠り、言は栄華に隠る。
故に儒墨の是非有り。以て其の非とする所を是として、其の是とする所を非とす。其の非とする所を是として、其の是とする所を非とせんと欲するは、則ち明を以てするに若くは莫し。
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