私の妻は酒やビックにイカが無いといふ、
ほんとのイカが食べたいといふ。
私は驚いて棚を見る。
貝ひもと鮭とばの間に在るのは、
噛んでも切れない
むかしなじみの美味しいイカだ。
艶やかな酢イカのかがやき
クリーム色のソフトさきいか。
私の妻は遠くを見ながら言ふ。
ドン・キホーテの
の棚に
毎日売ってる堅いイカが
私の妻のほんとのイカだといふ。
種類の多いイカの話しである。
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