この話、今更なんだけど、
濱田祐太郎の障害者としての自虐交えたネタが「笑っていいかわからなくて笑えない」派と「それは逆に差別では?」派に別れるのかな、と思っている。
俺は乙武洋匡氏のことも好きだし、ハンディキャップを持った人に対して差別的思想は持っていない(と思う)。
なので、「笑っていいかわからなくて笑えない」というのは過剰な配慮がゆえ、逆に障害を持った人を傷つける部分がある。
まあ彼は笑ってほしくてやってるわけだし。障害者という特性を自虐して笑いを取るスタンスでもなかったし。
ただ、彼のネタでは俺は笑えなかった。
というか、正直、つまらなすぎて「えっ?これで優勝…??」と顎が震えてしまった。
なんというか、「よく喋る兄ちゃん」のレベルから一切抜け出していないというか、
大阪にあんな兄ちゃんたらふく居ると思うんだが。
高校生の頃、俺は関西に住んでいて、大阪人のクラスメートも多かったんだけど、あーいうタイプの「面白い”風”の人」は学年に15人くらいはいた。
よく喋るしテンポも良いと思うんだけど、話している内容もツッコミもボケも、もれなく想像の範疇を超えない。
または、ボケに対してアンバランスな質量・ベクトルのツッコミを入れてくる。
彼のネタで一番冷めたところは、
盲学校にいた頃に、前ならえをしたら、(みんな目が見えないから)後ろの人の手が彼の背中にあたって
『肩甲骨吹っ飛んだんかと思ったんですよ!』と言う辺り。
100パー思ってないだろこれ。
こういった、小さじ一杯のボケ的出来事に対して、大さじ三杯くらいのツッコミして現実味をなくしてしまう下手なツッコミ、よく見た。
ただし、これでもテンポと雰囲気等で笑う人はいるのだが。
こういう、面白い”風”の人の傾向として、「オモロイ事言っている風」な立ち振る舞いなのが、話しててキツかった記憶がある。
私にとっては彼のネタは「視覚障害者の自虐は笑えない」議論とかそういうレベルでなくて、単純にネタも彼の話法もつまらなかった、という話。
彼のネタにはオチも展開もないから、大して美味くもない小皿料理何個か食わされて「メインまだかなー」と思ってたら、
「本日のデザートのバニラアイスです」って言われたような感じ。「えっこれで終わり?」みたいな感じのネタだった。
障害ネタで笑えるか笑えないか議論とかそういうレベルでなくて、単純にネタも彼の話法もつまらなかった、という話。
ただ、こんなにフラットにお笑いとして見て感想を言えるだけ、彼のネタは「障害を感じさせない」ものだったのだろうと思う。