「こんなに歩いたのは生まれて初めてだ もうへとへとだ」
振り返る度にこう思う
鼓動と熱が踵から昇るのが外気との温度差で分かる
アバラが軋んで、第三釦が動く
血の様な、そうでないような
口蓋に滑付くような爛れが垂れる
「どうだろう 足を折ってしまおうか」
隣の空白に呼び掛けて
目の遥か先を白靄に溶かして
背骨の上座まで釘を通す様な熱痣に
喘いで、喘いで
昨日の轍に反吐撒いて
「い」の始点と「す」の終点を、字の隠喩として望む
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