2011-10-24

思えば遠くまで来てしまった

「こんなに歩いたのは生まれて初めてだ もうへとへとだ」

振り返る度にこう思う

鼓動と熱が踵から昇るのが外気との温度差で分かる

アバラが軋んで、第三釦が動く

血の様な、そうでないような

口蓋に滑付くような爛れが垂れる

「どうだろう 足を折ってしまおうか」

隣の空白に呼び掛けて

目の遥か先を白靄に溶かして

背骨の上座まで釘を通す様な熱痣に

喘いで、喘いで

昨日の轍に反吐撒いて

「い」の始点と「す」の終点を、字の隠喩として望む

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