小さいころから親父は俺の自慢だった。
俺がどんな質問をしても答えてくれた。
学校で漢字ドリルの宿題がでたときは、いつも正しい書き順で書けるまで猛特訓をしてくれた。
全然、新しい漢字が覚えられなくて殴られたこともあったっけ?
泣きながらでも、いつか親父みたいな漢字博士になりたいって必死に頑張った。
ペンダコが潰れるくらい、ノートに何十回も漢字を書きなぐった。
小学校のころのそうした積み重ねがあったからこそ、いまの自分がある。
大好きだった親父は、もうこの世にはいない。
あれから10年たった今でも、俺は親父の遺言を思い出す。
「…鳥っていう漢字はなぁ…トリと読むときと…カラスと読むときがあるが…
わしは…いままで一度も読み間違えたことがない…
お前もそうゆう人間になれ…」
この思いを胸に、俺は明日、親父を超えるべく漢検3級を受験する。
Permalink | 記事への反応(1) | 11:28
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最後が秀逸。素晴らしい。