2010-12-07

兄貴が殺しに来るんじゃないかと、割と本気で思っている

数年ほど前に兄貴が狂い出した

具体的には家の中で奇声を発したり、「俺には神の声が聞こえるんだ!だから俺の言葉は神と同じなんだ!だから俺の言うことには絶対逆らうなよ!!」と言いながら家の中で暴れたりした最初は僕も何とか止めようとしたが、ある時ふいに「あ、もう無理だ」と思い、それから兄貴とは一切喋らなくなった。

家の中ですれちがっても無視した。なるべく顔を見ないように、目をそらした。顔を見なければ、存在感は感じない。飯は自分の部屋で食べている。

表面上は、無関心による平穏が流れている。だが兄貴の中にはどんどん鬱憤鬱屈が溜まっているのだと思う。

でもどうしようもない。話を聞いたって、暴れるだけなのだ。

寝ているときに、兄貴が殺しに来るんじゃないかと、割と本気で思っている。

そっと自分の部屋のドアを開いて、隠し持っていた金属バットか斧を、僕の顔面に思いっきり振り落とすという想像が、いつも頭の中を駆け巡る。

自分の顔面の肉がグチャグチャになってしまうという恐怖で、いつも眠れなくなる。

母親に、自分の部屋に鍵をかけたいと言った。馬鹿なことを言うなという反応。

「何で鍵をかけたいなんて思ったの?」

「いや、兄貴が夜、殺しに来るんじゃないかと思って」僕は素直に、出来るだけ素直に言った。

馬鹿なこというな!」母親は怒った。でも僕は知っているよお母さん。お母さんも怖いんだろ?

お母さんも、自分が殺されるかもしれないという恐怖があるんだろ?

結局鍵はかけていないけど、本当に怖くてしょうがない。一人暮らしする金もない。

解決策があれば教えて欲しい。僕は死にたくない。

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