2010-10-19

創るセンス 工作の思考 (集英社新書 531C)

技術者は専門分野によって細分化され、スペシャリストを産み出すことになったけれど、逆に、オールラウンドに通用するような技術はもはや存在しない。

根底にあるのは、楽しさなのである。これを感じない人は技術者にはなれない。どんなに腕が良くても、である。それは、この得体の知れない楽しさだけが、技術というものへ向かう姿勢を長時間維持させる力だからだ。

工業はあくまでも作品に価値がある。芸術は、作る過程で作者が得た感覚がすべてであって、出来上がった作品は単なる残骸、あるいは思い出のシンボルでしかない。したがって、前者は、まったく同じものを複製しても同じ価値を持つが、後者は、複製したものは贋作と呼ばれ、価値が生じない。

・何度も何度も周囲の大人たちから「どうだった?」ときかれるのが、今どきの平均的な子供である。「楽しかった」と微笑めば大人が喜ぶことくらい、経験的に学んでいる。

好奇心は、覚えるものではなく、目覚めるものだ。与えられるものではなく、自分の内から発するものである。

自分が本当に作りたいもの、好みの形や色、欲しい機能を自分に問いかけることは非常に重要なことで、多くの現代人はそういった習慣さえ持っていない。つまり、自分の好みを知らない人が多い。

・どんな工作であっても、大切なのは、それを「楽しむ」ことであり、そのプロセス自分自身の変化を「喜ぶ」ことだと思う。

http://gnxshop.blog.so-net.ne.jp/2010-10-17

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