2010-09-25

連帯保証人制度諸悪の根源

株式会社株主出資金以上の責任を負わせない為の制度であるはずなんだが、

我が国では融資の際に代表者を連帯保証人としてしまうので、社長無限責任を負う羽目になる。

これでは何のためにわざわざ法人格を取るのか、意味が分からない。

起業して失敗したら身ぐるみ剥がされるんでは、あまりにハイリスクすぎる。

起業しろ」というのは「勝てば億万長者、負ければホームレス」の大博打を打てというのと同じだ。

そんな博打が誰にでも打てると思う方がおかしい。

そう考えたら、日本経営トップに求められているのは「会社人柱になれ」ということであって、

会社経営能力があるかどうかは、大して問題ではないのではないか。

中間管理職が合議して決めたことを、命懸けで判を押すか押さないかを決断する、それだけなんじゃないか。

新卒入社の社員出世の上がりとして社長になるよりも、MBA取った経営プロがトップになったほうが、

合理的な経営をするだろうし、事業に対する「見切り」もやりやすいだろうが、そういうことは日本では求められていない。

どんなに無能であっても、会社心中する覚悟のある奴しか社長にはなれないのだ。

誰でも当然死にたくはないし、命をかけた大博打なんかできるものではない。

となると、結果によっては会社を潰すかもしれない重大な経営判断は極力先送りをして、

代替わりするまでは極力現状維持、潰れる直前まではダラダラと緩やかな衰退をした方がマシだ。

会社を潰しても命までは取られない外資と、同じ土俵で勝負できるわけがない。

こんなふざけた制度を残しておきながら、「優良な融資先がない」とか言って国債を買っちゃう銀行は、

昨今の不景気の元凶であって完全に社会害悪でしかない。

誰が好き好んで自分の命の掛金を増やしたいと思うのか。

借金しなきゃ潰れる会社以外は、金を借りたくないのも当たり前だ。

金を借りて設備投資するより、リストラして金を貯めたほうがよっぽど経営者は安泰だろう。

起業意欲が低い、経営者が保身に走る、資金需要が伸びない、これら不景気の根源は、

日本独特の「連帯保証人制度にあるんじゃないか?

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