日本の公取の判断は、乱暴に単純化した論理でいうと、以下のような感じではないかと勝手に推測。
ネット検索エンジンの運営それ自体は、なんらの経済活動ではない。よって、「経済」的な意味ではネット検索「市場」なるものはそもそも存在しない。
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ネット広告市場という視点で今回の提携を見てみると、以下のような感じ。
日本ヤフー「いやあ、うちは検索連動広告が不調なんですわ。しかも親会社(米ヤフー)が自社のシステムは止めてMSさんのシステム入れるとか言ってて。うちは今まで親会社のシステム使ってたんで、途方にくれてるところですよ」
グーグル「それは大変ですなぁ」
日本ヤフー「おたくの優秀なシステムを、『おまけ(→検索エンジン)』込みで貸していただけませんかね? MSさんの広告システムは日本じゃ実績ないんでね。ついでにいうと『おまけ』にも魅力ないし。頼りになるのはグーグルさんだけですわ」
グーグル「いいでしょう。レンタル料さえきっちりいただければ、レンタルしますよ。カスタマイズも自由自在ですから、好きに使ってください。レンタルする代わりに顧客を譲れなんて邪悪なことはもちろん申しません」
日本ヤフー「ありがとうございます。お互い、これからも切磋琢磨しながらがんばりましょう」
グーグル「ええ、もちろんですよ」
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広告主募集及び広告提供という「経済」活動の部分では両社は独立しており、手を組んでネット広告市場を独占するというわけではない。
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繰り返すがネット検索「市場」なるものは存在しないから、グーグルの検索エンジンシェアが90%になろうと知ったことではない(それは独占禁止法の管轄にあらず)。