2010-07-21

東京は、涼しい

ヒートアイランド現象が指摘されているが、東京でそれが起こっているかと問われると、感覚的には、否定したくなる。

考えてみれば、日本の最高気温を記録したのは、東京じゃあない。もっと別の不便な土地での話だ。(関東大震災時の記録は参考記録だからね)

東京にこれだけの人数が集まっておきながら、まだ今年は、誰かが東京熱中症で亡くなったというニュースは流れていない。

東京には「サーキュレーター」なるものがある。ドンキで売っている。工夫された扇風機のようなものだ。エアコンに比べて当然消費電力も少なく済む。エアコンのように空気を冷やすものではないので、根本的に気温が下がったりはしないんだけども。しかし今年は特にこれが流行しているようで、おかげで、エアコンの室外機からの熱が街にこもるような事も無い。

元々東京都民にとって、夏は暑いものであったし、冬は寒いものであった。川の流れも街を冷やす。エアコンに固執する必要性もないし、習慣もない。昔ながらの扇風機か、サーキュレーターで充分なのだ。

おれは一度だけ東京を離れた事がある。さて、地方はどうだったかな。街を見ればどこもかしこも室外機だらけ。そして不法投棄されたエアコンの山。街を離れた村ですら。

しかし彼らは、普段はエアコンをつけずに我慢する事が多いという。お客様が来る時だけ、その1時間前に、鬼のように部屋を冷やすのだと。そうやって「うちは常時エアコンを稼動させられるほどリッチだ」と見栄を張るのだ。稼動させてないくせに。

効果的なエアコンの使い方を知らないので、各家庭の室外機からは猛烈な熱が噴き出す。それは街にたまり、夜でも高い気温を保つ。それに我慢できない人は下手にエアコンを使い、さらに熱を増す。

そんな光景に対して違和感をぬぐえないおれは、意地でも扇風機で耐えてみせようとしてみた。東京では到底経験する事のない不快指数自分でも意味が分からない。が、なんか意地になってしまったのだ。するとどうだ、閉鎖的な街の人々からは嘲笑され、あきれられ、・・・驚いたことに、ついには街を追い出されてしまった。「街から追い出す/追い出される」という概念すら持たなかったおれは、何がなんだか分からないまま東京に逃げ帰るしかなかった。

そんな事を考えていたら、よい風が吹いてきたので、眠くなってきた。おやすみなさい。

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