小学校時代に同級生だった親しい友人に
「これは松本人志の最高傑作だから観てみて」と、【働くおっさん劇場】のDVDを借してもらった。
内容は、素人の中年男性を松本人志がイジる、ムチャぶりをさせてクスクス笑う、
という内容で、はっきり言って何も面白くなかった。
どれか一人はめちゃくちゃ面白いのかな、と思って見続けたけれど
やっぱりどれも面白くなかった。
なんだろう、あの心に忍び寄る背徳感というか
胸の圧迫感。
自分がいじめられていた経験が(いじめる側も)ある所為なのか…。
松本人志は好きだったけれど、どう見ても「ストレートないじめ」にしか見えないし
私の価値観が変なのかと思って、とりあえずAmazonレビューを見たら
そういう受け取り方をしたという評価はほとんど無い…。
もしかして、こういう手法の笑いって、大多数が「面白い」と思う水準なのかしらと半信半疑になりつつ
他にも評価のテキストを検索すると、やっぱりあった。酷評だけのまとめページが。
別に松本人志がどういう人なのか知らないし、嫌いになるわけじゃないし
彼の芸風を否定はしないけれど
一番ショックなのは、すごく信頼していた、価値観の方向性の似た友人が
これを「最高傑作」と太鼓判を押すセンスだ。。
どこで笑ったのか謎だ。でもオッサンが素でオロオロと挙動不審になっている様を
松本人志が煽ったり変な要求をさせたりする内容で笑ったにほかならないんだろうけど…。
ああいうのを本気で面白いと思う人が怖い。
正しいとか悪いとかは言うつもりないし、無駄な議論だと思うけど
自分は人生でああいう非コミュっぽくて他者からの圧力に抗体が全然ないタイプの人を
いくつか見てきたけど、同じようにそういう人を迫害したがる人が必ず存在していて
それが凄く許せなかった、という経験がいくつかある。
別に正義感バリバリで擁護したりはしないけど、そういうコミュニケーションの場で脆弱な人を
何の愛情もなく笑いものにしたりする人が心底理解出来なかった。
でもそういう事する人って無意識で、悪気や悪意がある、というふうにも見えない事が多いから
逆にそこが怖かった。自分がそうならないようにフォローしないとすぐに加速するなって思っていた。
もちろん、こういう体の笑いが好きな人が、同じようなコミュニケーション傾向にある事がイコールではないけど。
なんだか自分で言語化すると、急に偽善的な主義主張だとも思えてくるなぁ。
やっぱり素直にいじられてるオッサンを見てゲラゲラ笑える方が「スレてない」って事なのかな…。
友人に、このDVDどうだった?って聞かれたら何て言えばいいのやら…。
結局90年代の露悪趣味をずーっと引きずってんだよな 00年代以降は「懐かしい」「逆に新しい」笑いって受け取られ方なのかなぁ 自分は大嫌いだけど、たしかに90年代のダウンタウンと...