プール熱だとか、ヘルパンギーナ(急性ウイルス性咽頭炎、水疱性咽頭炎)と言われているが、実体は、ピコルナウイルス科のエンテロウイルスと呼ばれるウィルスであり、このうちのA型が、人に感染する。このウィルスの近接種であるピコルナウイルス科のアフトウイルス属は宮崎の畜産を壊滅させた口蹄疫ウィルスである。
エンテロとアフトの差によって、口蹄疫は人間には感染しないとされていたが、口蹄疫の蔓延国である中国では、人に感染する口蹄疫が発生しているという未確認情報が流れてきている。これは、口蹄疫が豚に感染し、豚は人間用の薬品や美容品原料の生産に使われるくらいに、人間に近い部分がある事から、人間に感染する型に変異してもおかしくない為である。
鳥インフルエンザが豚に感染すると、人間に感染する型に変化する可能性が発生するように、アフトも豚に感染する事で、人に感染する形に変化するのではないかという仮説である。
アフトが人に感染するようになるという可能性や、アフトに感染している豚がエンテロに二重感染する事で、エンテロがアフトの特徴を取り込んで、より強力な、人間に感染する口蹄疫が発生するという可能性もある。
いずれも可能性の状態であって、実現しているかどうかは、中国で発生しているという新しいタイプの手足口病のウィルスを分離・検定してみなければわからないが、間違いなく人間に感染するウィルスである事から、検疫体制が整った状態でなければやれない。
口蹄疫は、経済動物である家畜が感染した場合、肥育効率が悪化する上に、食味が落ちて商品価値が無くなる為に殺処分されるが、非食用である人間の場合、肥育効率は関係ないし、採算を度外視した治療が行われる事から、寛解する。問題は、寛解した人はウィルス保有者であり、スプレッダーとなりうるという点であろう。
口蹄疫ウィルスですら日本に持ち込まれたのだから、人間がウィルス保有者となりえる"人に感染する口蹄疫のウィルス"は、簡単に持ち込まれるであろう。
手足口病は乳幼児を中心に広まっており、かわいい孫が、のどの奥に水疱ができ、高熱、食欲不振、嘔吐など、口蹄疫とそっくりの症状で苦しんでいるのである。
口蹄疫に罹った牛や豚は皆殺しというのが、今の政府与党の方針であり、肝心のウィルスの日本への持ち込みを防ぐという発想が無い。むしろ、中国人のビザの条件を緩和して、ウィルスの持ち込みを促進しようとしているぐらいである。
[2010.7.11]