2010-06-24

咆哮

咆えたい、と思う時がある。

信じられないような衝動突き上げてきて、たまらない気持ちになる。。

実際は近所迷惑なのでぐっと我慢するけれども。

叫びたい感覚とはまた違う、不思議衝動だ。

そこに特に感情は無い。

怒りも喜びもない。

ただひたすらに天に向かって何かこみ上げるものを音声として噴出したい。

こういうとき、やはり人間には太古の血が受け継がれているのでは、などと神秘的なことを考える。

そっとしゃがみこんで、地面に手を突く。

人間の平爪では無駄なことだとわかっているが、土に爪を立てる。

つま先で立ち、肩を下げて、退化した犬歯を剥きだして天に咆える。

自分でも信じられないような声が出る。

きっと、はるか数億年から受け継がれてきた遺伝子が、人間の身に獣を再現しようとしているのだ。

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