高校のときに好きだった人は短大に進路を選んだ。
一方私は、そのまま大学に入学した。
高校のときに告白して「今付き合っている彼とはすごいしあわせだから」と言われ、交際を断られた。
私も高々同じ部活という程度の薄い間柄で、なぜか好きになってしまっただけのことだ。
彼女が付き合っているのは知っていたし、単なる確認行為に過ぎない。
寧ろそこで「しあわせ」などと言われたら、付き合う理由などないはずだ。
そう、所詮その程度の関係だったのだ。
彼女は短大に進んで、そこで学んだことから資格を取得し、私より二年も早くに仕事に従事していた。
一方私は文学部に進学し、適当にサークルをこなし、適当に講義を取り、適当にバイトをし、適当に勉強していた。
そして就活に失敗する。ニート一年目である。仕事はハロワがアテにならないことは2,3件巡って分かる程度の酷さだった。社会から死を宣告されたような気分になった。
私は式に呼ばれたが、断った。行くべき理由が思い浮かばない。私はおそらく高校生活の殆どを、彼女自身をモチベーションにしていたのだろう。その彼女がしあわせになれたのだから、行くべき理由はないはずだ。子の巣立ちを看護る親じゃあるまいし。
それどころか、その事実を知れば、彼女はおそらく、私から告白された日を思い起こすはずだ。
それは彼女にとってしあわせとなるだろうか。
ならない、と即断した私は、式を辞退した。
とりあえず、彼女がしあわせだという知らせが届いただけでいい。私の青春の選択は間違っていなかったということだけ分かればいい。
これからは、何もいらない。
第一、彼女は私がニートをしている事実を彼女は知らない。 (「彼女」がダブってるぞと言うのは置いといて)この程度の付き合いでしかないのに 何故「デキ婚じゃない」と分かるん...
たかだか二十代前半で、青春を過去語りなんてするもんじゃないよ。