同性愛の「原因」や「目的」をさぐろうとする研究について、個人的見解
http://d.hatena.ne.jp/miyakichi/20100427/p1
査読者1のコメント:
筆者は原因と目的という全く異なる概念を混同させて議論している。同性愛が生じる原因は何かを考える事は自然な科学的思考であって、目的論であるかどうかは、筆者が原因と目的を恣意的に同一視しているかどうかで変わってくる。それ以下のキリンの議論も目的論的世界観に対する反論にはなっているが、当の同性愛の問題に同様のロジックを必ずしも当てはめることはできないことを見落としている。呪術的とも言い換えられているが、なぜこのように言い換えることが妥当であるかという説明が欠落している。筆者は最後に、「個人的には、「同性愛は『ランダムに繰り返される突然変異』のひとつで、たまたま環境に適応したもの」なのではないかと考えている。」と帰無仮説が妥当である可能性を主張しているが、なぜその主張が同性愛が生じる原因を調べること自体を否定することになるのかがきちんと説明されていない。このように筆者は、言葉の言い換えにおいて複数の軽率な誤りをおかしているため、全体として論理的整合性と説得力に欠けている。よってリジェクト。