2010-04-11

留学中、ノイローゼなっちゃって、せっかくの海外なのに、

図書館にこもって日本文学片端から読んでいた。

そのとき、このひとの作品だけは他の誰にも書けないだろう、

と唯一思ったのは、井上ひさしさんでした。

井上ひさし全芝居』。本当になつかしい。

毎日毎日がつらかった時期に、腹の底から大笑いして、

これが読める日本人でいて幸せだと確かに感じたことが、

どれだけ私にとって救いになったか。

「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、

 ふかいことをゆかいに、ゆかいなことをまじめに書くこと」

あなたがやろうとしたことが、どれだけ大事で、どれだけ困難か、

私も原稿書きを生業とするようになり、十年前よりは少しわかるかもしれません。

井上さん、私は、深く、深く感謝しております。

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