僕はハロワで求人を探していて、ときどきクスッと笑うことがある。
「ああ、自分は無職なんだ」と思うと、悲しさがこみ上げてくる。
送別会の日のあの悲しさがいまだに続いている。
「無職」・・・・・
しかし、ハロワにいる先輩方は僕に語りかけます。
「いいかい?伝統というのは我々自身が作り上げていく物なのだよ」と。
僕は感動に打ち震えます。
「ハロワが何をしてくれるかを問うてはならない。君がハロワに何をなしうるかを問いたまえ」
僕は使命感に胸が熱くなり、武者震いを禁じえませんでした。
でもそれは将来日本の各界をになう最高のエリートである僕たちを鍛えるための天の配剤なのでしょう。
この状況を作りあげてきた先輩はじめ先達の深い知恵なのでしょう。
ハロワで求人を探すことにより、僕たちは伝統を日々紡いでゆくのです。
嗚呼なんてすばらしき無職。
素晴らしい実績。余計な説明は一切いらない。
「ご職業は?」と聞かれれば「無職です」の一言で羨望の眼差し。
無職になって本当によかった。