彼らを友人と呼んでもいいのかな。
そう呼んでいたいのは私の一方的な思いなのかもしれない。
彼女とは小中の同級生。
でも彼女とは元々そんなに仲がよかったわけじゃない。
ただ共通の友達がいて、なんとなく遊んでいただけ。
共通の友達がいなければ関わりあうこともなかったのだろう。
3人なべを囲んだ。
温かい気持ち。
少しだけ唇を噛んだ。
迷惑かな?とも思ったけど、彼らはいつだって私を迎え入れてくれた。
あんなことしたのに、彼らは私を許してくれた。
「俺達、結婚するんだ。」
わかってた。でもその時は大げさに驚いたふりをして「おめでとう」
3人、家族みたいだね、って言ってくれてた。
でも彼らは本当の家族になる。
私が踏み込むことの出来ない領域。
はじめから踏み込むことが出来なかった領域。
彼女は順調だった。
彼女は恩人だった。
でもどうしても好きにはなれなかった。
家族にも周囲にも愛されていた。
私が父から暴力を受けていた頃に。
私が母からいらない子って呼ばれていた頃に。
私が周囲からいじめられていた頃に。
「もうこういうこと、やめようよ?」
私はいじめなんてどうでもよかった。
いじめなんて慣れていたし、友達なんていらない。
本当は誰よりもわたしのことを見下していると思ったから。
「ありがとう・・・って言えばいいの?いい人ぶるのはやめなよ。」
お金で体を売った。V系追っかけの仲間と非合法のドラッグに溺れた。
ひさしぶりに会った彼女は何も変わっていなかった。
3人なべを囲んだとき、温かい気持ちになった自分が許せなかった。
私は彼を誘惑し、彼は私を拒み、彼女は私を許した。
私は彼女の何を妬んでいたのだろう。
環境?
容姿?
学歴?
そうだと思ってた。
でも違うんだ。そんなんじゃなかったんだ。
私が妬んだのは彼女の優しさ。
妬んだというのも嘘になる。
そんなものが存在するとは信じられなかった。
いや、それも嘘かもしれない。
そんなものが存在するのなら私のいままでが否定される。
だから嘘であってほしかった。
私が世界を歪みと呼んだとき、彼女はその歪みのなかに星のように輝く確かな何かを探した。
もし彼女が私に生まれてきても、きっとそのようであろうとしたのだろう。
世界を愛そうとして、世界を愛することができなくて、世界を信じようとして、世界を信じることができなくて、
世界を解ろうとして、世界を解ることができなくて、世界に訴えかけたくて、世界に訴えることができなくて、
彼女が持っていたものは私になかったもの全て。彼女が守ってきたものは私が捨てたもの全て。
あの2人に加わることは出来ない。私は私の道を歩いていく。
向こう岸の街明かりがまぶしくてもかすかな星の光を探して。
もう手遅れって言われるかもしれないけれど。
振り返って、拾い集めて、また向き直って、走り続けたい。
私が私になるために。私が許されるために。
2人幸せになって欲しい。
助けてくれたあの時言えなかったこと、今なら言えるよ。
ありがとう。
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