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いや、風呂場でさ、本を読んでたんだよ。 そしたら、突然凄い音がして、オレンジ色の光がスーっと裏の畑に落ちていった。
着の身着のままで駆けつけたらさ、なんだか丸い乗り物(?)が落ちてたんだ。 それで、壊れた乗り物の割れた隙間から、なんだか銀色のものが見えたんだ。
何かって? 決まってるだろ、宇宙人さ。 銀色なのが肌なのか、服なのかもわからなかったんだけど、動かなくなってたからさ、てっきり死んでるんだと思って近づいたんだ。
そしたら、宇宙人のやつ、いきなり起き上がって俺に向かってわけのわからない言葉で叫んだんだよ。
俺、こわくなってさ、つい、自分がもってた日本刀で宇宙人を切っちゃったんだ。 そしたら、宇宙人の血がブワッと吹き出して、俺にいっぱいかかったんだ。 緑色の血でさ、むっちゃくちゃ臭いの。 もう、耐えらんない凄さなんだよ。 急いで洗い落とそうと思ってさ、畑のスプリンクラーへ走っていったんだ。
だけどさ、走ってる途中でなんだか後ろから不気味な視線を感じるんだよ。 それで振り返ったらさ、いっぱい宇宙人がいるんだよ。 それこそ100人くらいはいたんじゃないかな。 それでもう怖くなっちゃって、臭いのなんか忘れちゃったよ。
とにかく走って逃げたんだ。 宇宙人は走るのが遅くてさ、俺がかなりのんびり歩く半分くらいの速さかな。 だけど、それでも視界に見えるうちは怖くて怖くて、とても止まれないんだ。
森の入り口あたりまで走ってようやく宇宙人が見えなくなって、これからどうしようと思った瞬間に、目の前を赤い光が通り過ぎて、爆音が聞こえたんだ。 それで、光が通り過ぎた方をみたら、今度は赤い円盤が飛んでて、その窓から、宇宙人が見てるんだ。
そのとき思ったね。
「あぁ、仲間を呼びやがった!俺はもう終わりだ」
だけどさ、違ったんだ。 良く見ると、赤い円盤に乗ってるやつと、落ちた円盤に乗ってたやつとは微妙に違うんだよ。 しかもさ、てっきり俺を襲ってきたと思った赤い円盤が、さっき俺がいた方向へとすぐに飛んでいっちゃったんだ。 なんだか光線みたいなのを出しながら。
つまりさ、2種類の宇宙人が互いに争ってたんだな。 それがわかって安心したら、さっきかぶっちゃった宇宙人の血の臭さがまた気になってきてさ、今度こそ洗い流そうと思ったんだけど、畑の方はもう戦場みたいに(っていうか戦場なんだけど)なってるし、水があるようなところなんて無いんだ。
そのときに、森の中に泉があったことを思い出してさ、森の中へ入っていったんだ。
でも、泉の場所がはっきり思い出せなくて、結構うろうろしたんだ。
子供の頃はよく森の奥まで遊びに言ってたりしてたから、どこに何の木があるかまで知ってたんだけど、10年も経つと森なんて変わっちゃうしな。
「もしかしたら、もう泉なんてなくなってるかもしれない。」
と思い始めたときだ。 なんだか、ちょっとむこうでガサガサって音がしたんだ。 つい、「また宇宙人か?」って警戒したんだけど、宇宙人じゃなかった。 でも、ヤバさでは宇宙人と同レベルかな。 熊だったよ。
いや、そいつは小熊だったんだけどさ、やっぱ小熊がいるところには親だっているでしょ。 そう思って更に警戒してたらさ、やっぱいるんだよ。親熊が。
それでさ、逃げようと思ったんだけど、今度は足がすくんじゃって逃げれねーの。
そしたらその熊が、「お嬢さん、お逃げなさい」っていうんだ。 どういう意味なのか図りかねたんだけど、まぁ、逃げなさいっていうもんは逃げようと思ったんだ。
だけど、やっぱいったん足がすくんじゃうとさ、もううごかねーの。
だけど、そのうちに熊が近づいてきて、手が触れるくらいまでの距離しかなくなっってさ、さっき逃げなさいって言っておきながら襲ってきたんだよ。
前足を振り上げてさ、今まさに振り下ろそうというときになってもまだ俺の足は動いてくれなかった。
そのあとどうなったかって? いや、そのときは運が良かったよ。 (いや、あとから考えれば悪かったんだが)
偶然通りかかった猟師がその熊を撃ってくれたんだ。 ダーンって銃声がしたときには何が起こったのか良くわからないままに熊が倒れたんだ。
一撃だよ!? 20メートルくらいの距離があったんだけど、熊の眉間に直撃してた。
猟師ってさ、なんだか無骨なオッサンがやってるイメージがあるじゃない? でも、その猟師は結構な男前だった。
それでさ、その猟師に、これも何かの縁だっつーことで家に招待してくれたんだ。
まぁ、猟師だけにそんなにりっぱな家じゃなくて… というか、小屋みたいな家だった。
それでハーブティーと茶菓子を出してくれたんだけど、すげぇ美味いんだよ。
しかも、その猟師はずっと一人で暮らしてるはずなのに話がうまくてさ、ついつい時間を忘れてて、気がついたら、もう日が暮れてたんだ。 そしたら、今日はもう泊まってけって話になってさ、夜が明けたら森の入り口まで送ってくれるってんで厚意に甘える事にしたんだ。
どうやら思ってたよりもずっと奥まで来てたみたいで、森を抜けるのに2時間くらいかかるって言われたんだ。
で、その日は猟師の家に泊まったわけだけど、寝具もなぜか結構こぎれいな上等品で、ふかふかなんだよ。 結構快適だし、疲れてたのもあってすぐに寝ちゃったんだ。
でもさ、他人の家ってなんだか落ち着かないじゃん。 そのせいかな、結構疲れてるはずなのに、深夜に目がさめたんだよ。 時計がなかったけど、窓から見える月の具合からして2時かそこらぐらいだったと思う。
すぐよこで寝てたはずの猟師がいなくなってて、辺りを見まわしてみると、隣の部屋との境に或るドアの隙間から赤い光が漏れていた。
不自然な色の光が気になったが、猟師がこっそりとやっているのだ。 知られたくないことなんだろうと解釈し、無視して再び眠ろうと努めたのだが…。 一度気に掛かるとなかなか無視できるものではない。
ドアの隙間からのぞいてみようかとベッドの中で決心し、起き上がろうとしたその瞬間に、赤い光は消え、猟師がドアを開けて出てきた。
そして、眠ったフリをしている私の顔を覗き込んだ。 眠っているかどうかを確認したのだろう。 そして猟師はベッドに入った。
数分の後、猟師は寝息を立て始めた。 先ほどの光が気になって仕方が無い私は、更に1時間ほど待って猟師が完全に眠りにつく頃に、先ほど光が漏れてきていたドアを開けて、
中に入っていった。
明かりのスイッチがどこにあるか分からない私は、しばらく手探りでゆっくりと歩いて入っていったが、思いのほか広く、何も無い部屋であるらしく、手には何も触れなかった。
しばらくして目がなれてくると、見えたのは、大量の宇宙人であった。 いや、宇宙人がいたわけではない。
その瞬間、私の背中に固いものがおしつけられた。
「やはりスパイか」
そう言ったのは猟師だ。 どういうわけか猟師は私のことをスパイだと思っているらしい。
次の瞬間に私の腹部に強い痛みが走った。 私の背中に押し付けられていた銃の引き金を引いたのだ。
悶えることさえできない激痛。 意識が遠くなる…。
あの熊が言ってたのはこのことだったのか…。
バッドエンド 〜赤の結末〜
コンティニューしますか?(はい/いいえ)
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いいえ → さようなら
先日、私の父が亡くなりました。 そのときの気持を歌にしたのがこの作品です。 例えば、カラスの死骸を見たときに笑いがとまらないような、そんな気分とも共通する何かがあると思います。 私と同じ思いを感じて頂けたら最高にハッピーです。
冒頭の風呂場のシーンはまさに風呂に入っているときに思い付いたのですが、その後の宇宙人と遭遇するシーンもまた実際に宇宙人と遭遇したときに思い付きました。 最後の意識が遠くなる場面も意識が遠くなったときに思い付いた展開です。 実際にはそれぞれの場面に至るのは10年後の今日なのですが、未来の先取りをしてしまったので、私には未来はありません。
一子相伝の拳法として名高い麻生聖拳が終焉を迎えたことは嘆かわしいとは思いますが、これが私の未来なのだと納得して締め括りとしたいと考えます。 考えるだけなので無害です。
∩( ・ω・)∩ばんじゃーい お前、途中で性転換してんぞ、このやろー http://anond.hatelabo.jp/20091116233019 こういうこと? 猟師とはやったのか、やってないのか なんとなく又三郎を思って泣...