2009-10-21

無自覚な差別

父の職業を話したら「ああ、そういう仕事馬鹿にしちゃいけないよね」と相槌。真意を理解するのに時間が要った。要するに、私のお父さんは差別されるべき職に就いてると考えてるんだなこの教育大学先生は。すごく悔しくて泣いた。

http://twitter.com/miso_butter/status/5013698029

先生の近くには○○を不当に差別する者がいたが、先生はそれが誤りだと思い知るようなことを経験した。差別するものも確かにいるが、ああ、なんと○○の尊いことか。本当に○○を馬鹿にしてはいけないことだなあ…なんていうケースだってないわけじゃないだろうに、なんでまた「私のお父さんは差別されるべき職に就いてると考えてる」と決めてかかっているのだろう。言うまでもない、「馬鹿にしちゃいけない」と「お父さんの職業」が言われたのならそれすなわち差別発言に決まっている、お父さんの職業はアレなんだから絶対にそうだ、と自身が心底思い込んでいるからである。

すぐ次のpostは、だからこうだ。

そりゃ、所得はあなたよりずっと低いだろうけど、一級の国家資格を持って、社会に必要な役割を果たしてるんだけど、“先生”から見るとただの汚い辛い肉体労働なのかな。

http://twitter.com/miso_butter/status/5013721319

なんとわかりやすいのだろう。所得が低いなら、汚い辛い肉体労働なら、馬鹿にされ差別されるはずだ。一級の国家資格がないなら、社会に必要な役割を果たしていないなら、馬鹿にされ差別されるはずだ…と、そう考えていないのであればこんなことをのうのうと言える筈がない。よく考えれば、どちらも必ずそうだとは言えないのに。

父親の職業を内心低く見ており、それを否定するために差別を重ねる。ここにあるのはそういう無自覚な差別だ。かかる父親の姿を見続けてなお、「差別されるべき職」について何も考えていないとは。あまりの愚かさに驚くほかない。

…と書いたら、簡潔にまとめたコメントが(http://b.hatena.ne.jp/entry/anond.hatelabo.jp/20091021103627)。

Domino-R 元発言者は、その仕事が卑しいとか尊いとかは言っておらず、現に差別されている仕事との自覚/認識があるだけだ。この認識すら差別意識と言うか? 非・被差別者によるこのような差別観こそ無自覚な差別。 2009/10/21

実に的確だ。元発言者(教育大学先生)が言う「ああ、そういう仕事馬鹿にしちゃいけないよね」は「現に差別されている仕事との自覚/認識」に過ぎない。しかも丁寧に差別への反対つきである。対し、miso_butterはただ「自覚/認識があるだけ」ではない。「この認識すら差別意識と言う」からこそ「すごく悔しくて泣いた」のだ。でなければ差別への反対をなぜ悔しく思い、泣くというのだろう。miso_butterの差別観が、「差別されている職だよね、でもしちゃいけないよね」という発言を「差別『されるべき』職と考えてる」、「差別されねばならない職と考えてる」と読み替える。

その通り、miso_butterの「このような差別観こそ無自覚な差別」なのだ。

  • 言外の態度から感じ取るものがある場合もあるだろうけどな。

    • 発言そのものではなく、言外の態度から差別を感じたんなら「こんなことを言われました」じゃなく「こんな態度に差別が出ていました」と書くだろう。

  • ささだ その頃は、授業を受けてたんですか? 原 いや、よく登校拒否になってて。授業に出られなくなっちゃった。正確に言うと違うんだけどね。とにかく、出なかったですね。授業...

  • http://sankei.jp.msn.com/photos/politics/situation/091019/stt0910192201013-p1.htm これ見て「これはひどい」とかいう奴も自覚のない差別をしてるように思う。美少女だったらいわなかっただろうに。

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