3人の候補が出てきた。宏池会のお家騒動に、町村派の新人が絡むという展開である。
ただ、麻生派の河野太郎氏を古賀派が担ぐという展開はありえず、町村派を始めとする諸派が、河野太郎氏を担ぐという展開も、ありえない。それは、宏池会を強化するだけでしかないからである。
したがって、河野太郎氏の出馬は、どちらかというと、総裁選を無投票にしない為という効果と、将来の総裁候補としての実績作りという意味しかない。河野派を作れるほどの器局かどうかがはっきりしないという点もある。麻生派を継承して、さらに派閥を大きくする事ができるかどうかという点を考えると、幹事長狙いの立候補と考えられる。
町村派の候補である西村康稔氏は、当選3回という若さであり、いきなり総裁は無理があるのだが、他に弾がいない。自民党が野党に転落した以上、ここで使うしかないというのが、つらい所である。
この3人のうち、誰が総裁になっても、残りの2人を、幹事長と国対委員長クラスの役職で取り込まないと、党が分裂するという事を考えると、ここで立候補しておくのは、仕方が無いであろう。野党に転落した以上、大臣ポストが無いんだから、党務を経験するには、議員をまとめられる立場にある事をアピールしないとポストが取れない。
谷垣氏が当選して、河野氏が幹事長、西村氏が国対委員長というのが、いかにもありそうな展開である。その他の場合、谷垣氏は若輩者の下につく事を拒絶するであろう。その場合、古賀氏を幹事長に据えて残りが国対委員長という展開がありえるし、道路族の利権を守る為に、古賀派が国対委員長を取るという展開も、無いとは言い切れない。次の選挙はどうせ参議院なんだから、道路工事をばら撒く為に与党と接触できる国対委員長ポストの方が、当面は価値が高いという判断である。
ただし、万が一であるが、古賀派が谷垣氏、麻生派が河野氏となって、その他の諸派がすべて西村氏に投票した場合、麻生派は残るだろうが、古賀派は自民党から離党するという展開もありえる。
民主党の実質的権力者である小沢氏は、元は田中派であり、道路族の利権とは相性が良い。古賀派を民主党が取り込むことで、自民党が空中分解したという印象を作り出すと同時に、道路族を取り込む事で資金を確保し、参議院、それに続く衆議院と、自民党に引導を渡すという展開を狙える。しかも、古賀派の衆議院議員24人が民主党の衆議院議員308人と合わされば、衆議院(定数480人)で3分の2を超え、参議院で過半数を取る為の連立を不要にできる。連立している党首達にいつでも切り捨てられると圧力をかけるのに、古賀派は丁度良い大きさの集団なのである。
http://www11.ocn.ne.jp/~ques/diary/diary.html [2009.9.20]